2019年秋から、一般公開を始めた菊水日本酒文化研究所。
一般見学やイベント開催などを通じてお客様にも楽しんでいただいてまいりましたが、新型コロナウイルス感染症拡大防止の対応として、5か月ほど公開を休止しています。
そんな中、ここ菊水日本酒文化研究所を会場に、8月1日にオンラインの酒育セミナーを開催しました。
セミナーでは文化研究員が講師を務め、いくつかの資料をピックアップして当時の時代背景なども絡めながらご紹介させていただきました。
収蔵品の中には、今年の3月に発売された特殊切手「美術の世界」に採用されている伊万里の大皿によく似た食器も。切手のモチーフになった大皿は東京国立博物館に収蔵されているそうです。研究所が収蔵する3万点の資料の中には、このように何かのきっかけで、改めて価値を知るものもあるんです。
文献資料の中には江戸中頃~明治 出版・印刷文化の進展で流通した引札や錦絵、名所図会、草双紙、瓦版などもそろっています。
「料理早工風」は嘉永6(1853)年に作成されたもの。1853といえばペリー来航。当時の人々がどんな料理を食べていたのか一覧を眺めるだけで面白いですね。
また、20世紀初頭の料理書・婦人雑誌の付録「職業別榮養料理圖解」には、職業別におすすめのお料理が詳しく掲載されていて、お相撲さんや、野球選手のページも。現代はアスリートめし、なるものがあったりしますが、パフォーマンスを高めるための献立の視点は今に通じるものがあります。
一通り、ご覧いただいた後には、菊水日本酒文化研究所が企画したグッズも紹介させていただきました。
昔の人から日本酒のかかわり方、遊び方を学び、現代風にアレンジしたりしています。
こちらは、中央に浮き球があってお酒を注ぐと音が鳴るという仕掛け酒器で、その名も「風鈴杯」。
とっても涼しげな音で、今の季節にぴったりです。
一時間ほどのセミナーの間は、受講者の皆様からQ&Aやチャットで質問やご意見をお寄せいただき、オンラインながらも画面の先のお客様を感じながらお届けすることができました。
ご参加いただいた皆様、ありがとうございました。
菊水酒造ではこれからもオンラインでのイベントを通じて、日本酒を面白く楽しくするコトづくりを行って参ります。
◆セミナーでも紹介した収蔵品について、もっと知りたい方はこちら「菊水通信」日文研EYE
◎人と酒を結ぶもの
https://www.kikusui-sake.com/book/vol11/#target/page_no=5
◎ぐい吞みコレクション
https://www.kikusui-sake.com/book/vol4/#target/page_no=5
◎「引き札」
https://www.kikusui-sake.com/book/vol12/#target/page_no=5