北越後だより

2022年01月13日

にごり酒に合わせたい絶品ひとり鍋。ピリ辛鶏鍋

濃厚でコクのある甘口のにごり酒「五郎八」には、コチュジャンやキムチなどピリ辛のお料理と相性抜群。互いの味を引き立て合って、旨さ倍増間違いなし!の五郎八に合う絶品レシピをご紹介します。 ■鶏鍋(コチュジャン入り)レシピ 【辛うま!鶏鍋】 【材料】(1人分) ・骨つき鶏もも肉もも1本分(約300g) ・じゃがいも1個 ・キャベツ2枚 ・にら2本 ・玉ねぎ1/2個 ・A(ニンニクおろし2片分、生姜おろしたもの大さじ1、しょう油大さじ1と1/3、酒大さじ1、コチュジャン大さじ3、砂糖小さじ1、※お好みで、粉唐辛子(粗め)大さじ1) ・中華スープ600ml ※チキンスープでも 【作り方】 1.じゃがいもは皮を剥き、ひと口大に切って水にさらす。キャベツはひと口大のざく切りにする。ニラは4cm幅に切る。玉ねぎは2cm幅のくし切りにする。Aは混ぜ合わせる。 2.ボウルに骨つき鶏もも肉、水気を切ったじゃがいもをいれ、Aを加えてよく混ぜ合わせて15分ほどおく。 3.一人鍋に中華スープを沸かす。強火にして、2 をタレごと加え10分ほど煮る。 4.キャベツ、ニラを加えてさっと煮る。 温かいピリ辛お鍋と冷えたにごり酒、ぜひお試しください。 ■にごり酒五郎八 詳細はこちら https://www.kikusui-sake.com/home/jp/products/p019/

2022年01月08日

にごり湯&にごり酒で、ひなびた温泉宿の気分に浸る

雪化粧した山の懐に抱かれるようにして佇む、ひなびた温泉宿ほど旅情をそそるものはない。あたりには白い湯煙が立ち昇り、かすかに硫黄の匂いが漂ってくる。乳白色のにごり湯の、体にやわらかいこと。露天風呂に浸かりながら、冬枯れの木々と雪が織りなす美しい景色を眺めていよう。   わが家の小さな浴室の中で、そんな妄想をしている。冬本番。この季節のいちばんの贅沢は、やはり温泉だ。しかしなかなか旅行にも行きづらい時分でもあるので、どうしたものかと思案してたら、ラジオからおもしろいニュースが流れてきた。   入浴剤が、めっちゃ売れてるというのだ!   わかるわかる、それ! 行きたくても、温泉、行けないもんね。だからせめて、居ながらにして温泉気分を楽しもうということだ! ユニットバスを岩風呂に改造するのはムリだけど、ドラッグストアで買ってきた「温泉の素」を投入して目をつぶれば、昔懐かしい風情のある秘湯の景色だって思い浮かべられる。 あ〜いい湯だったな。と風呂から上がると、まもなく食事の時間だ。温泉宿の夕食といったら、欠かせないのが日本酒。しかし今どき流行りの華やかですっきりキレイな日本酒では、ちょっと情緒がなさすぎないか。ここはもうちょっと昔造りな酒がいい。ということで、菊水の『にごり酒 五郎八』を冷蔵庫で冷やしておいた。   『五郎八』は「ごろはち」と読む。越後に伝わる民話に登場する山賊の頭領の名前なんだそうだ。どんな話なのかネットでは見つけられなかったけど、名前からすると、豪快で、そのくせ心やさしい山賊って感じかな? 悪徳なヤツらからは身ぐるみ剥いでも、決して庶民を襲うことはなかった、というような。 『五六八』とも書けるので、これを「イロハ」と読んだり、数字を足すと『おいちょかぶ』の強い役になるので縁起がいいとか、造り手が意図しなかった評判もあるようだ。   にごり酒というように、酒質は透明ではなく白く濁っていて、まったりとしている。濁りの成分は滓(おり)と呼ばれるものだ。滓とは何か、なぜ濁っているのか、日本酒の製造工程から見ていこう。   基本原料は、米と米麹と水。酵母によってアルコール発酵が進むと、ドロドロのもろみができあがる。酒の液体だけでなく、原料の粒つぶや分解物、酵母などの固形物が含まれているからだ。これを液体と固形物に分けるために、上槽という作業を行う。もろみを目の細かい布袋などに入れて搾って濾すのだ。 こうしてはじめて日本酒は透明に近い液体になり、これが正式名称『清酒』のゆえんである。酒税法では、濾すことが清酒の定義。袋に残った固形物は酒粕だ。   この清酒に対して『濁酒』、つまり濾してない酒もあって、『ドブロク』と呼ばれている。酒税法上は『その他の醸造酒』という区分だ。白くドロドロで、もろみの風味そのまま、甘みが強く、少し酸っぱい。   ドブロクは弥生時代から造られていたとされるが、濾す技術は奈良時代すでに存在したようだ。書物や木簡に「清酒(すみさけ)」の文字が発見されている。とはいっても清酒を造るには高度な技術を要し、高価だったので、飲めたのは武将や富豪など特権階級だけ。一般庶民が親しんだのは民間・自家醸造されたドブロクで、その手づくり感のある素朴な味わいこそが、まさに庶民の酒だったのである。   しかし明治時代になると、酒税法によって酒を造るには酒造免許が必要になった。民間のドブロク造りは禁止されたわけだ。それでも昔ながらのドブロクが飲みたいという声は強く、近年「ドブロク特区」として規制緩和された。特区内で自家産米で仕込み、自ら経営する民宿などで提供するためならドブロクが造れるようになったのだ。   では『にごり酒 五郎八』はドブロクかというと、そうではない。菊水独自の製法によって生まれた白濁酒であって、ドブロクではないけれど、その風味は一般的な清酒よりもずっとドブロクに近く、滋味深い。手づくりの温かさみたいなものが感じられ、なんだか気持ちがほっこりする味わいだ。     風呂上がり。冷蔵庫から『五郎八』を取り出した。キャップを開ける前に瓶をやさしく揺すって、下の方に溜まっていた滓を均一にする。そして、大きめのぐい呑みに注ぐと、土の塊のようなゴツゴツした酒器から、もろみの甘酸っぱい香りが立ち昇ってきた。   口に含むと、まったりと甘いのに、みずみずしい爽やかさもある。これは『五郎八』が、搾ってから一度も火入れをしていない生の酒だから。できたてのフレッシュ感があるのだ。 そのうえ水も一切加えてないので、アルコール度数は日本酒としてはかなり高い21度。口あたりがいいからスイスイ飲めてしまうが、そこは自制せねば。     『五郎八』には、旬の食材を使った鍋料理や濃いめの味付けの料理が合う。この日のメインは、脂ののった寒ブリの粗塩焼き。甘さと塩っぱさが互いの旨さを引き立て合う。辛口の酒が料理を引き立てるのとは違って、完全な相乗効果だ。旨みが濃厚なので、食事が済んだあともアテなしでイケルイケル。にごり湯&にごり酒で、体も心もポカポカ。おウチ温泉の夜は、静かに静かにふけていったのだった。     <参考文献> 酒に謎あり 著/小泉武夫 発行/日経ビジネス文庫 日本酒の科学 著/和田美代子 監修/高橋俊成 発行/講談社 情報誌 お酒のはなし 著・発行/酒類総合研究所 新潟清酒ものしりブック 監修/新潟清酒達人検定協会 発行/新潟日報事業者  

2021年12月24日

「新米新酒ふなぐち菊水一番しぼり」を嗜むマリアージュ

この秋、収穫したての新潟県産米100%を使用した吟醸仕込みの生原酒「新米新酒 ふなぐち菊水一番しぼり」。さわやかな香りとみずみずしい味わいをご堪能いただける、マリアージュレシピをご紹介します。 【白身魚と生麩のりんごのみぞれ和え】 りんごのフルーティな甘みと三杯酢の酸味が新酒のさわやかな飲み口に好相性。生麩がなくてもお好みで焼いた油揚げや、白身魚も酢だこなどでアレンジして楽しめます。 【材料】 好みの刺身用白身魚(今回は鯛) 50g 生麩 6cm バター 10g りんご 1/4個 だいこんおろし 1/2カップ 三杯酢(酢50ml、砂糖大さじ1、薄口醤油大さじ1/2、和だし汁大さじ1 1/2) 【作り方】 1. 白身魚は1㎝幅に切る。りんごはおろす。だいこんはガーゼなどに包んでさっと流水を流して軽くしぼる。生麩は2㎝幅に切る。 2. フライパンにバターを熱し生麩を軽く焼き色がつくまで焼く。 3. ボウルに1と2の材料を入れて、合わせた三杯酢を適量かけてさっくりと和える。 ___ ◆お買い物サポート 「新米新酒ふなぐち菊水一番しぼり」 お取扱店検索:https://www.kikusui-sake.com/home/search/?sid=9 蔵元直送オンラインショップ:https://www.kikusui-sake.shop/c/sake/funaguchi/shinmai_funaguchi #菊水 #japanesesake #ふなぐち #和食 #新潟の酒 #日本酒好きな人と繋がりたい #おうち居酒屋 #家飲み #宅飲み #おつまみメニュー

2021年08月28日

日文研EYES|TVドラマの小道具と収蔵資料

NHKの大河ドラマご覧になっていますか? 今回は、幕末から明治時代を舞台にした日本経済の父と言われる渋沢栄一の物語ですね。 菊水の創業は1881年(明治十四年)ですから、当時の日本の様子などを映像で知ることが出来、とても興味深く視聴しています。また、主人公が地方の豪農出身者であることから、武士や朝廷貴族ではない一般庶民の目線で描かれる部分も多く、当時の逞しく生きる農民や町民の生活を映像で見ることができるのも嬉しいポイント。近代の酒や食に関する資料を多く収蔵している菊水日本酒文化研究所担当として、所蔵資料と源を同じくするような形状の小道具が映るシーンには大注目!しています。 このドラマの小道具にちなむ収蔵資料を2種ご紹介しましょう。 見立番付 ドラマの第4 回( 3 月7 日放送)。まだ渋沢栄一が家業を手伝っていた青年時代のある日、藍農家をねぎらう宴席の仕切りを任された栄一が、良い藍を育てた農家を、「大関」「関脇」「小結」「前頭」の順に、上座から座ってもらう配席とした場面がありました。 年齢や力関係、前例を全く無視した、いわば実力主義の配席に皆が戸惑う雰囲気もなんのその、「権兵衛さんの藍がいい出来だったのよ。そこで俺は今日は権兵衛さんに大関の席に座ってもらいてえと思ったのよ」と、【武州藍自慢 藍玉力競】を披露するのです。 これは自らが行司を務め、農家が育てた藍の出来を相撲の番付さながらにランク付けしたものでした。すると配席に不服そうだった年配者が「来年こそは、わしが番付の大関になってみせるんべぇ」と笑い、大団円となったのでした。成果を格付けして公開することで、農家のやる気に火を点け、翌年から品質や収穫量の向上を、ひいては地域全体が豊かになることを狙って行った作戦だったのでしょう。 後に実業家として大活躍する渋沢の商才を示すシーンでした。この印象的なエピソードは史実に基づくもので、この番付表は最初こそ手書きだったようですが、評判となり手元に欲しがる人が続出したのでしょう、後に木版刷りになりました。そしてこの番付や元の版木も残っており、渋沢栄一記念館には番付が所蔵されているそうです。観てみたいですね。   さて、このランキング表は「見立て番付」といいます。江戸時代の中頃から、相撲や歌舞伎の番付形式に見立てて様々なものを東西に分け、大関から関脇・小結・前頭と並べて対比し格付けする一枚刷りの情報紙ですね。これが庶民の間で大流行となりました。この見立て番付の最盛期は文化文政以後の幕末から明治初期まで、まさに栄一が藍玉力競を作った頃ですね。この見立て番付には色んな種類のものがありました。料理屋、温泉地、流行の菓子、評判の美人や文化人など実にありとあらゆるものがランキングされ、見立て番付として木版刷りで出版され、庶民を愉しませたのです。   当時の庶民の生活や価値観などを浮かび上がらせてくれる見立番付、ここ日文研で収蔵しているのは「おかづのはや見」です。 志やうじんもの(しょうじんもの=精進もの)つまり野菜のおかずと、なまぐさもの=魚・肉のおかずを東西に分け、大関から前頭まで当時の人気のおかず名がランキングされているもので、明治十七年の発行です。読み込んでみるとこれが面白い!野菜のおかずの大関は八杯豆腐。江戸の頃より豆腐は定番の食材ですが、八杯豆腐とは一体どんな料理でしょう。江戸中期に出版された豆腐料理本「豆腐百珍」で調べてみました。曰く「絹ごしのすくい豆腐を用い、水六杯と酒一杯をよく煮返した後、醤油一杯を足し、さらによく煮返し、豆腐を入れる。煮加減は湯やっこのようにする。おろし大根を置く」とありました。水6・酒1・醤油1、足して8杯という事でしょう。対する魚・肉料理の大関は目ざしいわし。塩水につけたいわしを数匹ずつ藁で突き刺して干したもの。目の部分に藁を刺すので目刺し、現在でもこの形状で売られている小型の魚がありますから、あれか、と思い浮かぶ人も多いのではないでしょうか。 もちろん食卓には藁を抜いて焼いたものが出されます。番付いっぱいに江戸文字で書かれたおかずの名が並び、どれも素朴ながら滋味深いおかずばかりで当時の食材の豊かさを物語ります。相撲の番付を見立てていますから、芸が細かいのです。行司は、たくあんづけ・ ぬかみそづけなど、現代でいうご飯のお供的なものが並び、年寄はみりんに砂糖にかつお節、勧進元は醤油に塩、味噌といった顔ぶれ。 細かいところまで拘った洒落が効いていて、見れば見るほど面白い発見のある刷り物です。 いげ皿 続いては第18回( 6 月13日放送)。一橋慶喜の兵を集める「軍政御用掛 歩兵取立御用掛」に任命された栄一が、備中の塾(当時の庶民の学校)に何日も通って塾生たちとの交流を深め、見事にたくさんの志願を集めることに成功した回です。このシーンも史実に基づいており、塾は漢学者・阪谷朗廬が塾長を務める興譲館だそうです。この地で行われる鯛網を興譲館の書生らと見に行き、獲れた鯛を肴に酒盛り、「お役人様がどねんしても笠岡沖の鯛網をやってみてぇというんで」と獲れた鯛が運ばれてきたシーン覚えていますか? この鯛ではなく、盛られていた皿に注目!「いげ皿」でした。いげ皿とは、明治期を中心に伊万里や美濃などの物産地で盛んに焼かれた大衆向けの厚手の印判皿です。「いげ」とは方言でとげを指し、皿の縁をギザギザに波打たせているのが名前の由来と言われており、そのいげと、いげ部分一周に鉄釉をかけて色付けしてあるのが特徴です。 陶磁器の生産が盛んになっていた江戸後期において、高級料理屋などで豪華な色絵の薄手の大皿が用いられる一方で、庶民はこうした大量生産で比較的安価な厚手の藍色一色の印判のいげ皿が使われていた事を伝えてくれる、とても理解が深まるシーンでした。 日文研でも、この当時の庶民の暮らしを如実に伝えてくれる資料いげ皿を多く収蔵しています。庶民の食卓で喜ばれていたであろう多種多様な図柄の中から、菊の文様の皿を中心に展示しています。生活に根差した大衆の食器いげ皿について詳しく書かれた文献は見つかっていないのですが、こうしてテレビで、それも時代考証をしっかり行っているNHKの大河ドラマでいげ皿が使われていたことがとても嬉しく、この場面を見た瞬間、思わず「いげ皿っ!」と、叫んでしまいました。 江戸時代・近代など歴史区分の言葉になると、途端に歴史の教科書の中のことの様に感じてしまいますが、今も昔も人は食べて飲み、人と語り、笑い泣き、知恵をしぼり、働き、与えられた時間を懸命に生きていることに違いはありません。残された資料の数々を見、またそれらと同型のものを使っている歴史ドラマなどを見るたびに、時間は流れど基本的な人の営みは地続きなのだという思いを新たにします。長い時間の中で人々が生きている生活の中で、酒がどのように飲まれていたのか、酒とは人にとってどんな存在であったのか、人は酒にどんな役割を求めたのか、そんな問いかけへのヒントがみつかる日本酒文化研究所でありたいと願ってやみません。 ・参考 渋沢栄一記念館公式サイト http://www.city.fukaya.saitama.jp/shibusawa_eiichi/kinenkan.html 渋沢栄一の見立て番付を紹介するにあたり、渋沢栄一記念館様にご協力をいただきました。この場を借りで深く御礼申し上げます。 NHK「青天を衝け」公式サイト https://www.nhk.or.jp/seiten/ ・デジタルブック版菊水通信はこちら https://www.kikusui-sake.com/book/vol16/#target/page_no=7

2021年07月27日

【菊水140周年】北越後の恵みを感じる新潟県新発田産コシヒカリ

皆さんこんにちは。菊水酒造です。 140周年キャンペーンコラムをご覧いただきましてありがとうございます。 この連載をご覧いただき、北越後を実際に旅しているかのように楽しんでいただけたら幸いです。 今回は、「”北越後の旅”気分プレゼントキャンペーン」賞品の一つ、『新発田産コシヒカリ』の魅力を、皆様にたっぷりお届けします。ぜひ最後までご覧くださいませ。 ※キャンペーンのご応募は現在終了しております 晴天の中、車を走らせて 菊水酒造の本社がある新発田市島潟から、北上すること10分。 綺麗な田んぼ道の先に「北越後新発田産コシヒカリ」を育てる「そうえん農場」があります。 新潟のゴールデンウィークの風物詩 新潟のゴールデンウィーク時期の風景と言えば、皆さん何を思い浮かべますか? 新潟は、連休の少し前頃から田植えが始まり、一面茶色だった田園風景が段々と緑で染まっていき、青い空と緑のコントラストがとても清々しい風景が一面に広がります。 それが、新潟のゴールデンウィークの風景。 連休最終日は休みが終わってしまう寂しさがつきものですが、新潟のゴールデンウィークはちょっと違います。田んぼの稲たちが元気に上を向いて伸びようとしている姿に元気を分けてもらえて、また頑張るか!という気分にしてもらえます。 田舎に帰ってきた皆さんがまた帰って来たいと思える景色。そんな田園風景をつくってくれている「そうえん農場」さん。 私たちが訪問した日は、ちょうどその田植え作業が落ち着き、田の水管理を行っていた頃。そう教えてくださったのは、『新発田産コシヒカリ』を作っている「そうえん農場」の下條荘市さんです。 新潟県新発田市にある「そうえん農場」さんは、美味しいものを作り、美味しく食べてもらいたいという思いで、農作物を育てています。 この思いはとても強く、「JGAP認証」や「穀物検査場及び穀物検査資格」など、食の安全や環境保全に取り組む資格を認証・取得されるほど。 さらに、品種改良した作物の生育試験や、農業管理システムの開発支援を行うなど、地域にも大きく貢献されています。 溢れだす魅力的な人柄 お米作りの知識に関しては、ほぼゼロと言ってもいい私たち。 そんな私たちにも分かりやすいように、専門用語をかみ砕いて、例えを交えながら説明してくれる下條さん。その眼差しは、とても熱く、日頃から対話をしながら農作物と向きあっている姿が思い浮かびます。 愛情たっぷり『新発田産コシヒカリ』 今から24年前に、勤めていたJAをやめ、42歳から農業を始めたという下條さん。 今では、農業を始めた時の10倍以上にあたる「23ヘクタール」ある農地を管理されているそうで、繁忙期には人員を増やして作業を行うこともあるそうです。 ~お米ができるまで~ ・種まき(4月下旬)…田に植える苗を育てます ・代かき・田植え(5月上旬から中旬)…田の土を整え、苗を植える ・水管理や除草作業(6月上旬)…稲が元気よく育つように環境を整える ・中干し(6月中旬)…田の水を抜き、稲に危機感を与えて無効分けつ(稲にならない茎)を抑制 水を入れる(6月下旬) ・追肥(7月下旬)…出穂後、稲の赤ちゃんである幼穂が茎の中にできたらご飯となる追肥を行う ・害虫管理(8月) ・稲刈り(9月) ・稲を乾燥させ、玄米にする(9月・10月) 皆さんもご存じの通り、ほぼ1年間をかけて、稲と向きあうお仕事。私たちの手元に届くまでに、長い月日をかけてたっぷりと愛情が注がれます。 昔から「お米一粒でも残したらバチがあたる」と言いますけども、それも納得です。 その時々で変わる顔 1年を通して、作業をしていると、稲たちの様子が違うように、その日その日で見える風景も違うのだとか。 今回は特別に、写真愛好家でもある下條様にとっておきの写真をいただきました!   皆様にも「北越後の大地」の素晴らしさと美しさを感じていただけたら嬉しいです。 一番好きな景色をお伺いしたところ「やっぱり、稲穂が頭垂れてる姿だねぇ~」とはにかむ下條さん。 やっぱり、手塩にかけて育ててきたお米が収穫に近づいた姿は、何物にも代えがたい達成感と嬉しさがありますよね。 『新発田産コシヒカリ』そのおススメの食べ方は? 「にぎりまんまが一番。」と下條さん。 おススメの具材は新潟県村上市の塩引き鮭とオカカ!と即答。のりを巻かずに、味付けはほんの少しのお塩でオッケーとのこと。   これぞ「至高のにぎりまんま!」 お米一粒一粒がしっかり立って、口に含んだ時が本当に至福の時でした。塩だけでとても十分!噛めば噛むほど甘みが増して、次から次へと口にほおばってしまう美味しさ。 新潟北越後の米最高です!!丹精込めたお米、しっかりといただき、元気を分けてもらいました。 皆様もぜひ、賞品の1つ「笹川流れの塩」も使って、「北越後の恵み」をご堪能下さい。 最後までお読みいただきありがとうございました。 謝恩 このたびは、「北越後の旅気分プレゼントキャンペーン」にご応募いただきまして、誠にありがとうございました。 菊水が創業140周年を迎えることが出来ましたのも、みなさまの一缶、一杯に支えていただいたおかげでございます。 菊水は、これからも人々の心豊かなくらしに寄り添いながら、お客様のご期待にお応えできるよう精進して参ります。何卒変わらぬご支援ご愛顧を賜りますようお願い申し上げます。

2021年07月08日

賞品に見る北越後の豊かさ|新発田テロワール

北越後、とは。 あらためて「豊かな地」なのだと思いました。菊水の創業百四十周年を感謝するキャンペーンの賞品を見ての思いです。プレゼントキャンペーン自体は6月末に応募を締め切っているのですが、「北越後の旅気分BOX」と銘打った賞品の品々を見て、この地の豊かさに改めて気づいた話をさせてください。 「米どころ」と枕詞付きで語られるほど、新潟は全国有数の米の美味しい地として名を馳せています。地元農協のサイトによると、コシヒカリに代表される新潟米のおいしさの理由は①豊富な雪解け水、②肥沃な大地、③適切な自然条件 の3つなのだそうです。 北越後の恵みの数々。 菊水の地 新発田市ももちろんこの3点をしっかり備えています。雪溶け水はその量の豊富さで農業用水として水田にたっぷり活用されるのみならず、山間地の山林の落ち葉が創り上げた腐葉土の養分をたくさん含んで川へ流れ出、米作りに大切な養分を含んだ肥沃な土壌を作り上げるのです。また、米の食味を左右する大きな要因は稲穂が発育・肥大する登熟期の気象条件です。この時期の最適気温は24.5℃、そして昼夜の温度差が大きいことが重要なのですが、この地の気象は条件にぴたりと当てはまるのです。これはもう新潟のお米が美味しいわ けですね。 また、この豊饒な大地が育むのは米だけではありません。農業大国新潟県の中でも、特に新発田市が県内一の出荷量を誇るのがアスパラガスです。アスパラガスは地下茎と貯蔵根に養分を蓄えた株から芽吹く野菜ですので、育つ土壌が特に重要なのだそう。新発田産アスパラガスが太く、甘く、柔らかいのは、この肥沃な地の恩恵を受けていることは想像に難くありません。余談ですが、疲労回復作用で知られる栄養素のアスパラギン酸は、アスパラガスに多く含まれていることから、この名前がついたのだそうですよ。 そして新潟の夏といえば枝豆です。新潟県人にとって枝豆は、おつまみであり、おやつでもあり、おかずでもある万能の食材なんです。おかずでもある!?そう、小鉢に品よく盛り付けるのではなく、ザルに山盛りでモリモリバクバクと食べるのが新潟県人の常識。新潟の枝豆の作付面積が全国一位(平成30年農水省統計)でありながら、全国的に新潟が枝豆の産地だと余り知られていないのは、自分たちでほとんど食べ尽くしてしまうからなのです。たくさん美味しい枝豆が採れるのも肥沃な大地の恵みに他なりません。 さて、菊水の地 新発田市を含む地域「北越後」は、その呼び名のとおり新潟県(越後)の北部に位置します。この地の東部には飯豊連峰がそびえ、そこに源を発する加治川と支流が滔々と流れ、豊かな大地が開け、国内有数の農業地帯であるのは前述のとおりです。片や北西部は日本海に面しており、白砂青松と称えられる美しい海岸が拡がっています。中でも屈指の透明度を誇るのが、海岸「笹川流れ」。 緑豊かな山を背景に、日本海の荒波の浸食によりできた奇岩・岩礁や洞窟、澄んだ青い海という豪壮な景観は、国指定の名勝及び天然記念物となっています。地元ではこの美しく清らかな海水での塩づくりも行われています。海水を何度も晒し布に通して丁寧に海のアクを取り除き、その後じっくり時間をかけて煮詰めてつくる塩は、自然の恵みを人が手間ひまをかけ凝縮させた、まさに日本海の結晶そのものといえるでしょう。 私達が自然から受け取っている有難い恩恵は食すものばかりではありません。心身に与えられる「癒し」もまた、大きな恵みのひとつですよね。菊水から車で20分ほど走ると温泉地が拡がります。 美人の湯・不老長寿の湯として親しまれている月岡温泉です。旅館や飲食店、お土産屋が立ち並び、観光客に人気の温泉街ですが、お伝えしたいのはその泉質です。弱アルカリ性で肌に優しく、硫黄の含有量も多く、美しいエメラルドグリーン色をしているのです。大正四年に開湯し、当初は湯治場として地元の人々を癒し、今もなお尽きる事なく滾々とわき出す大地の恵みです。   この様に賞品のいくつが私に語りかけてくれたのは、北越後がいかに豊かな地であるか、ということでした。山と川と平野があって、冬は寒く雪が降り、夏はしっかりと陽に照らされる、ここ北越後。雪解け水は山々を潤し緑を育む。その山林の養分を含んだ流れは河川となり大地を肥沃にし、海へと流れ込む。栄養豊富な水を求めてプランクトンが集まり海を清らかに保つ。その大いなる自然の営みの中から、人が知恵を絞り手間を惜しまず、恵みのおすそ分けを頂く。 まるでこの地は、日本という国の各地に散在している「自然の豊かさ」を全て集めて、ギュッと凝縮したような地域だということに、あらためて気づいた次第です。 「私たちは、感謝と良心を以って、大地の恵みを醸し、こころ豊かなくらしを創造します」 初代高澤節五郎が若干16歳でこの地で酒を醸すと決めて以来、百四十年ずっとこの地で大地の恵みを醸してきた菊水、自然の恵みへ感謝をし、また賜った恩恵をお客様とこの地へ還元していきたい思いを込めた、菊水の経営理念です。 これまでも、そしてこれからもずっと菊水は豊かなこの地に根差し、大いなる自然の恵みを循環させて参ります。 *菊水は今年 創業百四十周年となります。この節目に改めてご愛顧への感謝を申し上げます。そのお礼の気持ちのプレゼントキャンペーンは6月末をもって応募終了となっております。ご了承のほど宜しくお願いいたします。 ◆~菊水通信2021年夏号より~ こちらの記事は、デジタルブックでもご覧いただけます。

2021年06月25日

【菊水140周年】月岡温泉をゆったり観光♪自称日本一まずい温泉も飲んでみた

皆さんこんにちは。菊水酒造です。 140周年キャンペーンコラムをご覧いただきましてありがとうございます。 今回は、新発田にある、全国でも有数の温泉地「月岡温泉」の魅力を、たっぷり皆様にご紹介いたします♪ぜひ最後までご覧くださいませ。 綺麗な湯色と嬉しい効能 エメラルドグリーンの綺麗な湯色をした月岡温泉。 月岡温泉は、国内随一の成分含有量を誇る硫黄泉としても有名で、近くには「美人の湯」という共同浴場があるほど、美肌効果が期待できる嬉しい温泉です。 自称日本一まずい温泉!? 温泉街への取材が決まった日から、皆さんにどこを紹介しようかルンルンで検索していると、気になるキーワードが…「日本一まずい温泉水」「源泉の杜」「ヤバい」「飲めなかった」 ・・・・? 月岡温泉街は菊水のある新発田市島潟から、車で20分ほどの場所にあるので、コロナ禍になる前は散歩がてら行くこともしばしばあったのですが、「日本一まずい温泉水」の存在を知らなかった筆者。 ヤバそうなキーワード達に惹かれ、最初の目的地として「源泉の杜」を目指すことに決めました。 源泉の杜に到着して、真っ先に目に入ったのはコチラの看板。 その味が原因か、あまりにも凄い効能のせいか、1日の飲用量は「90mlまで」。「15歳以下飲用不可」の文字が…。 怯むことなく、ズンズンと奥に進むと、かけ流しの源泉がお出迎え。 「え?匂い凄くない?温泉卵の匂いがする!」と驚きながらも、専用のコップに温泉水を汲み取り、おそるおそる一口いただきました。 「!!!!!!!」 美人で有名・人気者のNさんも思わず、この顔です。 Nさんの表情に怯えながらも、筆者も1口いただくと、苦みが強く、思わず眉を顰めてしまうほど、インパクトのあるお味でした…。 皆さんも、月岡温泉街に来た際はぜひチャレンジしてみてください…! お口直し? 温泉水をいただいた後は、いよいよ、月岡温泉街を散策♪ ここ最近、温泉街を中心地に、新潟ならではのものが味わえ、素敵なお土産が買えるお店が続々と誕生しています。 「歩きたくなる温泉街」がテーマの月岡温泉。私たちも新潟の味を満喫してきました♪ ■元祖月岡屋「元祖月岡まんじゅう」 温泉街を観光したら、食べずにはいられない温泉饅頭! こし餡、粒あん、白あんも美味しいですが、ぜひ卵味の「きみ餡」も召し上がってみてください♪地元の人からも昔から愛される、優しく甘い味わいです♪いくらでもいけます♪ ■新潟粉物 premiumPOWDER 米BEI「うさぎ焼」 米粉がモチモチ!味の種類もたくさんあって迷っちゃう! 冷えたままで食べても、温めて食べても美味しいです♪ 他にも、新潟のお米の新しい魅力を感じられる米粉を使ったアイテムがたくさんあります。 ■新潟菜果 premium AGRI 実MINORI「ストロベリースムージー」 スムージーのベースに安田ヨーグルトをセレクト♪フレッシュな味わいと香りで、身体も喜ぶ味わいです♪新潟産を中心とした国産フルーツや野菜を気軽に味わえるジェラートの販売もあります。 今回ご紹介したお店はもちろん、月岡温泉には新潟を満喫できる素敵なお店がたくさん♪ ぜひ、月岡温泉観光協会ホームページでチェックしてみてください♪ http://www.tsukiokaonsen.gr.jp/walk/ 美味しいモノを食べた後は… 月岡の街をブラブラ。 街景観を崩さないよう、ポストは茶色でした。 そして、突如始まった「菊水」探し(笑) ①新潟米菓 premium SENBEI 田DEN の近くに発見! 新潟自慢の米菓がテーマのお店。 せんべいの手焼き、絵付けが体験でき、世界で1つだけのオリジナルせんべいが作れます♪ ②新喜久屋 新潟の美味しいお酒を販売しています。100円で試飲もできます♪ お気に入りの一本をお土産にどうぞ♪ たくさん歩いた後は大人気スポット「足湯」へ 月岡温泉街には無料で足湯を体験できる「あしゆ湯足美(ゆたび)」があります。 時がゆっくり流れ、心地よい温度の湯。 いけない、いけない仕事中だった(汗)と頭では分かっていながらも、 「夜の幻想的なライトアップも気になるし、プライベートで来ちゃうか~」 なんて考えている筆者でした。 まるで月岡温泉に来た気分!? 只今、菊水では、創業140周年の感謝の気持ちを込めて「”北越後の旅”気分プレゼントキャンペーン」を実施しています。 A賞「”北越後の旅”気分BOX」では、ご自宅でゆっくり月岡温泉観光気分を味わっていただける、エメラルドグリーン色をした「月岡の湯」を3包プレゼント♪ 応募締め切りは6月30日23:59までです。皆様ぜひこの機会にご応募ください♪ 最後までお読みいただきありがとうございました。 次回の更新もお楽しみに! ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 「“北越後の旅”気分プレゼントキャンペーン」は終了いたしました。たくさんのご応募をいただきありがとうございました。

2021年06月21日

【菊水140周年】薪で焚く 昔ながらの 塩つくり『笹川流れの塩』

皆さんこんにちは。菊水酒造です。 140周年キャンペーンコラムも第7弾となりましたが この連載をご覧いただき、北越後を実際に旅しているかのように楽しんでいただけたら幸いです。 今回は「”北越後の旅”気分プレゼントキャンペーン」賞品の一つ、‟新潟で最も美しく清らか”といわれている『笹川流れ』の海水からつくられた『塩』のご紹介です。新潟北越後の海のイメージが変わるかも知れません。ぜひ最後までご覧ください。   ★日本海は薄暗い・荒波・寂しい感じ? 日本海といえば、2時間サスペンスドラマに出てくる岸壁に荒々しく当たる荒波のイメージをお持ちの方が多いのではないでしょうか?実際寒い時期はそのイメージのままなのですが、春~夏にかけての日本海はこんな感じです。 穏やかです。そして海の色がイメージと違いませんか? ここは菊水酒造のある北越後新発田から車を走らせ約1時間、日本海沿いを北に進み、山形県に入る手前に位置する『笹川流れ』です。海鳥の鳴き声と優しい波しぶきの音が何とも心地よい場所。 澄んだ海の色と青い空のコントラストがとても美しく、大自然の美しさに魅せられ、何時間でもぼーっとしていられるような、そんな場所です。 国の名勝天然記念物に指定され、県立自然公園でもある笹川流れ、その美しい景勝地に工房を構えるのが(有)日本海企画 笹川流れ塩工房。   ★薪で焚く昔ながらの手作り海水塩 この笹川流れ塩工房で作られる塩は、その名の通り100%笹川流れの海水から出来ています。しかも、これだけ進化した世の中であっても、昔ながらの手法で何時間もかけてゆっくりと丁寧に作り上げられた塩なのです。 工房に到着すると、まず目に入ってくるのがこちらの薪↓ この薪を使って何時間も掛けて海水を焚き上げます。 じっくりじーっくりと焚き上げ、丁寧に結晶化させるのだそう。 そうすることで、えぐみのないまろやかな塩になる。 笹川流れ塩工房では、ただ海水を焚き上げるだけではなく、こんな工程を踏み塩をつくります。 ①  笹川流れの海水をポンプで汲み上げる ② 2万ℓ入るタンクに海水を寝かせ、不純物を沈殿させる ③ 平釜と呼ばれる笹川流れ塩工房特製の平らな釜に海水を流し込み、大量の薪で煮詰めていく ここで行われる手作業の『濾す』作業が、笹川流れの塩工房の塩の白さを生みだします。 漂白したの?と聞かれる程の美しい白。 手作業でさらしの布に海水を通し、何時間も掛けて、海の灰汁や石灰を丁寧に取り除くから白い塩ができるのだそう。 ④煮詰めること15時間、水面に花が咲いたような塩の結晶が浮き上がってくる ⑤さらに煮詰め結晶化され笹川流れの塩になる ⑥さらに、“ツト”と呼ばれるわら細工に塩を丸一日置き、苦汁を取り除き塩が完成する   ★美味しいかどうかはお客様が決めること こんなに丁寧に手間暇かけて“笹川流れの塩”を作っているのが有限会社日本海企画 笹川流れ塩工房 代表の小林久さん 小林さんが塩づくりを始めたのは1998年、以前は船大工をされていたそうです。 生まれた時から海が近くにあり、生まれた時の産湯は海水だったとか? 20年以上塩を作り続けてきてもなお、この手作りにこだわり続けるのは、塩を美味しくするにはこの方法が一番と自負するから。しかし「お客様に美味しいから買ってくださいとは言わない、美味しいかどうかはお客様自身が決めること」と小林さんはきっぱりと仰います。 嘘偽りなく、笹川流れの海水100%を使用し、時間を掛けて丁寧につくっているこの現場を見てもらえば ここの塩は間違いないと皆さん確信してくださる。 実際、各地からこの場所を訪れ、取り扱ってくれる業者さんも多数いるそう。 笹川流れ塩工房のにがりに惚れ込み、にがりを求め茨城から訪れる豆腐屋さんも。 小林さんの穏やかで優しく謙虚な姿勢に、この塩の素晴らしさが伝わってくるようです。   ★salt&cafe 『食べてごらん』と小林さんが差し出してくださったのがこちら↓ 塩ソフトクリーム‼ この茶色い粉のように見えるのが塩です。『藻塩』という塩で、『藻』という海藻から出来ている塩です。 このように、「藻」を海水に漬け込み焚き上げます。 ほのかに磯の香りがして、甘~いソフトクリームに塩味がきいて、美味しい!! ぜひぜひお試しいただきたい一品です。 笹川流れ塩工房の名前に「salt&café」とついているのですが、ソフトクリームや笹川流れの塩で仕上げたおにぎりなど軽食が取れます。salt&caféと名付けたのは小林さんの娘さん。笹川流れの美しい景色を見ながら、塩ソフトクリーム、そしておにぎりを頂ける素敵なcaféです。 北越後を旅する際はぜひ『salt&café 笹川流れ塩工房』に訪れてみてくださいね! salt&café 笹川流れ塩工房▶http://www.isosio.com/ 「“北越後の旅”気分プレゼントキャンペーン」では、こちらの『笹川流れの塩』をプレゼントいたします。 この塩で、枝豆やアスパラを茹たり、おにぎりを握ったら、気分はもう北越後を旅しているかのように感じていただけるかもしれません!? ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 「“北越後の旅”気分プレゼントキャンペーン」は終了いたしました。たくさんのご応募をいただきありがとうございます。

2021年06月15日

日文研EYES|日本酒の愉しみ 「酒器」を選ぶ 〜近代のガラス酒器〜

陶磁器、漆器、金属や竹など、日本酒の酒器には色々な素材のものがありますね。今回は日文研収蔵の近代の「ガラス」製酒器をご紹介しましょう。 日本では、十七世紀にポルトガル人のもたらしたガラス製品の影響を受け、長崎で吹ガラスの製作がはじまりました。長崎で発達したガラスは、その後、京都・大坂へ、そして江戸へと伝播して、江戸では幾何学文様の切子ガラスが発展しました。さらに薩摩では藩の厚い保護によって、透明ガラスに紅色や藍色のガラスを被せ、幾何学文様をカットするガラス器が製造されました。このようにして近世日本においてガラスの輸入から美術的価値の高いガラス工芸が誕生するに至りました。 ガラス器にはちろりや徳利、杯など酒器も多く、当時舶来の貴重な酒であった葡萄酒や日本酒の冷酒などを愉しんでいたことが偲ばれます。ガラスという言葉は英語のGLASSが語源ですから、この語は幕末の開国後に欧米の各国と通商が行われてから使われるようになったものです。それまではガラスがビードロとかギヤマンと呼ばれていたことをご存じの方も多いことでしょう。明治時代になってからも、ビードロ、ギヤマンは広く通用していた言葉で、当時はガラスのほうがハイカラで耳慣れぬ言葉だったというのは、現代の感覚からするとなんだか不思議な感じもしますね。 ビードロ(VIDRO)はポルトガル語であり、室町時代の末期にポルトガル人が渡来して、そのものを持ってきてから日本で知られるようになった言葉です。江戸時代に編纂された類書(百科事典)である『和漢三才図絵』(正徳三年―一七一三年刊)には、「硝子」の文字を用い、これを「びいどろ」と読ませています。 ギヤマンという言葉は少し後に出てきたもので、元来はガラスを意味する言葉ではないようです。 ギヤマンはオランダ語で宝石のダイヤモンドを示す言葉ディヤマン(DIAMANT)が語源です。ダイヤモンドでガラス器の表面をひっかいて模様をつける技法を長崎のガラス工人が学び、そのガラス器をギヤマン彫りと名付けて販売したところ人気となり、長崎土産に買って帰る人も出たそうです。つまり本当は「ギヤマン彫りのビードロ」なのです。ギヤマン彫りがギヤマンと短縮され、さらにギヤマン彫りのないものまでをギヤマンと誤って呼ぶようになったものと思われます。 ビードロというと、歌麿の浮世絵「ビードロを吹く娘」の印象が強く、薄い味わいの吹きものの器のことだと考える方が多いこと、また、ギヤマンというとキラキラした直線的なカットのあるガラス器を連想しがちなのは、語感からくるイメージからなのかもしれませんね。 ガラス製品が多く生産され、人々の生活の中に入り込んでいき、明治十六年頃からカット(切子)、グラビール(摺模様)、エッチング(腐食)、サンドブラスト(砂吹付法)など西洋式のガラス工法が全国的に広がったと云われています。近代日本のガラス製品は、現代の製品と比べると科学技術の発展途上のものといえますが、当時の新しい技術を貪欲に取り入れようとする職人の気概と大らかさ、またその工程の多くが手によるものならではの、温かみまで伝わるようなノスタルジックな魅力に溢れており、多くの蒐集家を惹きつけてやみません。 日文研ではガラス製の徳利や杯の他に杯洗も収蔵しています。 杯洗とは、杯の献酬(杯のやりとり)のとき取り交わす杯を洗うために使うもので、磁器・漆器・硝子などの鉢状の器です。今では見かける事の少なくなった杯洗ですが、江戸時代の酒の席を描いた浮世絵には必ずと言ってよいほど描かれている、いわば酒宴を彩る必須アイテム的な器だったのです。神聖な酒をひとつの杯で飲みあうことによって心と心が結ばれると信じられてきた日本ならではの道具といえるでしょう。実はこの杯洗、室町時代から始まった礼法が影響しています。室町時代の故実書である「家中竹馬記」(永生八年―一五一一年)に「杯の底を捨る事は魚道とて酒を残して口の付たる処すゝぐ也」とあり、それゆえに小笠原流礼法の『食物服用之巻』には「一露のみ」、「一文字のみ」と記載されています。「一露」とは一露で飲み口を洗うことを表し、「一文字」は一文字をかける程度の量でそれを洗うという作法なのだそうです。 さて、この杯洗二つとも「本当に杯洗?」という疑問も浮かびます。高坏(食物を盛る脚つきの器)との区別が一番議論を呼ぶところですが、この胴部の深さからいって杯洗に軍配が上がりそう…。ただこれが、例えば高坏やアイスペールであったとしても杯洗に「見立て」るのは日本人の得意技でしょう。戦国時代の茶人武野紹鴎が、井戸の水をくむ時に使う釣瓶を水指として用いたことも「見立て」。茶の湯初期の頃から「見立て」のお道具は多く用いられているのですから。「見立て」とは、「物を本来のあるべき姿ではなく、別の物として見る」という物の見方をいい、本来は漢詩や和歌の技法からきた文芸の用語なのだそう。この文芸の精神であった「見立て」の心を大いに生かして、日常の生活用品を茶道具に採り入れていたのですね。茶の湯だけではありません。落語でも扇で蕎麦をすする仕草を見せたり、日本庭園は石だけで水の流れを表現したりと、日本には見立てによってイマジネーションをふくらませる文化が根付いているのです。 酒器ひとつとっても、昔から大切に使われ長い時間を経て残ってきたものは、現代の私達に様々なことを教えてくれる存在といえるでしょう。 日本酒はその魅力のひとつとして、冷酒から燗まで『幅広い温度帯で飲むことができる』という点が挙げられます。同じお酒でも、その 温度によって味わいや香りは大きく変わります。その味わいの広さをもっと楽しみたいという思いが、様々な酒器を生んできたのでしょう。酒器には「大人の遊び心」が詰められてきました。 暑い季節には、ガラス素材の透明感やカットの輝きが器を見るだけで涼を感じさせ、それを手にして口を当てればひんやり感を直に感じ、中の冷酒の味わいをもうワンランクあげてくれます。季節や好みにより食卓の彩に、そして飲む酒の温度に合わせて、注ぎ飲む器を選ぶことが出来る楽しさは、日本酒好きに与えられた特権と思うのは、酒好きの贔屓目でしょうか。 〈参考〉 日本の酒器サントリー美術館 明治大正のガラス加藤孝次工芸出版 酒史研究第1 9号酒史学会編集 和漢三才図絵日本随筆大成刊行 小笠原流公式ホームページ ■デジタルブック「菊水通信」より

2021年06月11日

【菊水140周年】まるで果物!?新発田のブランド野菜をご紹介

皆さんこんにちは。菊水酒造です。 140周年キャンペーンコラムをご覧いただきましてありがとうございます。 今回は只今開催中の「”北越後の旅”気分プレゼントキャンペーン」でご用意するプレゼントの1つ、「北越後新発田産アスパラガス」の魅力を、たっぷり皆様にお届けします。ぜひ最後までご覧くださいませ。 田園風景の中、車を走らせて 菊水酒造の本社がある新発田市島潟から、長い田んぼ道を10分ほど走らせると「北越後新発田産アスパラガス」を育てるハウスがあります。 相沢さんとのご縁 ここでアスパラガスを育てているのが、この方、相沢久明さんです。 写真をご覧になって「あれ?」と思った方もいらっしゃるのでは? 実は相沢さんは、(有)共生の大地にいがた21の代表取締役で、菊水の酒造りに欠かせない「酒米菊水」の生産者でいらっしゃいます。菊水の田んぼで毎年行っている「田植え」や「収穫祭」イベントでは、参加者の皆さんに作業手順をレクチャーしていただいています。相沢さんは、菊水と深いご縁があるお方なのです。 ↑2019年5月の田植えイベントの様子 ※2020年、2021年はコロナウイルス感染拡大防止のためイベントは中止となりました なぜアスパラを育てる? 長年、新発田地区で米づくりに取り組んできた相沢さんが、新たな挑戦として、3年前から栽培を始めたのが「アスパラガス」です。 米づくりのプロの相沢さんがアスパラガスをつくり始めたのは3年前のこと。新発田のアスパラガスは県内一の生産量を誇り、「太い、甘い、柔らかい」が人気の新発田のブランド野菜です。 旬の5月には、市内のあちこちの飲食店でアスパラガスを使ったメニューを味わうことができます。 勉強の毎日 農業歴45年の相沢さんも、アスパラガスつくりを始めたころは、学ぶことばかりだったとか。20年以上かけてブランドを育んできた先輩農家の皆さんにアドバイスをいただきながら、みんなで勉強する毎日だったそう。 作り手としての信念 そんな相沢さんたちが農業を行う上で常に大切にしている言葉があるそうです。それは「命は食べ物からいただいている」という言葉。 「自分たちが育てた野菜や米が命に繋がるので、常に良い品質を求めながら育てています。」食べてくれた人の幸せに思いを寄せるように、ほほ笑む相沢さん。温かいまなざしの中に、作り手の強い信念を感じました。 農薬や化学肥料を極力抑えて、大切に育てられたアスパラガスは、もちろん味も格別で、驚くほど柔らかく、甘くてジューシー、旨味たっぷりです。初夏になると、直接お取り寄せの電話が来るほど、人気の商品なんだとか。 アスパラのおススメの食べ方は? 皆さんは、どのようにして召し上がるのがお好きですか? お湯で湯がいて、ソースをディップ?それとも、お弁当の定番、アスパラガスのベーコン巻き? 相沢さんおススメの食べ方は、ずばりオーブンで丸々1本焼いて醤油マヨ! だそうです。太いと固くなるイメージがあるアスパラガスですが、新発田産のものは、太くても柔らかく、甘いことでも有名です。 聞いたら試さずにはいられない筆者。早速、その日の夕飯に、丸々1本焼いて豪快にかぶりついてみました!もちろんおススメの醤油マヨで! 食べる前から、食欲を掻き立てるアスパラガスのあま~い香りが部屋の中に広がります。 まずは何もつけずに一口。噛んだ瞬間、アスパラガスの甘味と旨味が口の中にジュワっと、広がります。まるで果物にかぶりついたように甘く、あまりのジューシーさに「あれ?私は野菜を食べているんだよな?」となったほど。 さて、お次は醤油マヨで!とアスパラガスを箸でつかんだところ、重みに耐えきれなかったのか、「ぽきっ!」と折れてしまいました。 あ~あと思ったのも束の間、箸を伝って滴る水分にびっくり…。それほど、新発田産のアスパラはジューシーなのです。 ↑思わず写真に撮ってしまいました。 醤油マヨソースも格別で、香ばしい醤油の香りが鼻に広がり、アスパラガスと合わさって甘じょっぱい味わいに。マヨネーズ効果で、まろやかになって、もはや箸を持つ手が止まりません。 相沢さん、ごちそうさまでした!! 美味しいだけでなく、疲労回復効果があると言われる「アスパラギン酸」やカロテンなどの「ビタミン」も多く含むアスパラガス。これからの時期、ぜひ皆さんに召し上がっていただきたい北越後の自慢の特産品です! 只今、菊水では、創業140周年の感謝の気持ちを込めて「”北越後の旅”気分プレゼントキャンペーン」を実施しています。 今回ご紹介した「北越後のマリアージュ」をお楽しみいただけるチャンスです♪ 応募締め切りは6月30日23:59までです。皆様ぜひこの機会にご応募ください♪ 最後までお読みいただきありがとうございました。 次回の更新もお楽しみに! ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 「“北越後の旅”気分プレゼントキャンペーン」は終了いたしました。たくさんのご応募をいただきありがとうございます。 ★☆★☆★☆★キャンペーン賞品のご紹介★☆★☆★☆★ ★A賞「”北越後の旅”気分BOX」 140名 北越後の特産品を詰め合わせたボックスです。菊水のお酒はもちろん、北越後の豊かな大地で育まれたお米や野菜などなど、ご自宅でこの地に訪れたような旅気分をお届けしたい、そんな想いで組み合わせました。(写真はイメージです。内容は変更となる場合がございます。ご了承ください。) ★ダブルチャンス賞「菊水オリジナルマスク」 1,000名 日本初の元祖生原酒缶「ふなぐち菊水一番しぼり」のイラストがワンポイントの菊水オリジナルマスクです。カラーは汚れが目立ちにくいライトグレー。やさしい肌触りの2層構造、洗える布マスクです。アタッチメント付きで、ひもの長さの調整が可能です。