北越後だより

2024年01月03日

にごり酒の今と昔。どぶろくって何?

寒い時期、鍋物など温かいものはもちろん、甘い物・パンチのあるもの・お腹にたまるボリュームのあるものなどが無性に欲しくなりませんか?気温が低いと体温維持のため必要エネルギーが増えるからね、などとちゃんと調べもせず、都合よく解釈して冬に美味しい物をたくさん頂いています。お酒では「にごり酒」が美味しい季節です。米の粒々が多く残る濃厚なにごり酒から、滓がらみのような薄にごりまで様々なにごり酒が店頭を飾っています。吟醸酒などすっきりキレイな味と表現される清酒に対して、素朴な温かみ、舌触りの残る飲みごたえなど、にごり酒が寒い時期に人気があるのはその味わいに加えてホッとできる朴訥さも理由の1つかもしれません。 験(しるし)なき 物を思はずは一坏(ひとつき)の濁れる酒を飲むべきあるらし  訳:考えても仕方ない思いなどはせず、一杯のにごり酒を飲むのが良いらしいよ価無き宝といふも一坏の濁れる酒にあに益(ま)さめやも 訳:価値をつけられないほどのお宝といっても、一杯のにごり酒の価値に勝るものか百人一首に載る大伴旅人の歌です。大友旅人は飛鳥時代から奈良時代にかけての公卿(朝廷に勤める身分の高い役人)であり、優れた歌人でもありました。公卿でもにごり酒に癒されていたのですね。昔からにごり酒が身分の上下を問わず広く愛されていたことがわかります。 ■米の酒の歴史 清酒と濁酒 清酒つまり日本酒造りで、醪を個体(酒粕)と液体(酒)に分ける「上槽」工程(いわゆる「濾す」作業)を行った酒よりも、にごり酒のほうが歴史が古そうなのは想像がつきますよね。少し日本における酒造りの歴史をたどってみましょう。 縄文後期から弥生前期には大陸の水稲技術が伝来、日本におけるにごり酒の歴史はこれとほぼ同起源といわれています。神祭の際、にごり酒はコメと並んで神に供えられるものでもありました。飛鳥~平安時代の律令制度の下、朝廷においては酒・醴及び酢を造る役所である造酒司(みきのつかさ・さけのつかさ)があり、儀式や酒宴など朝廷貴族の為の酒が造られていました。平安時代の律令の施行細則である「延喜式」には、宮中で造られた13種の酒について記録されています。その中の御酒は甘口で酸の少ない清酒(すみさけ)、醴酒や三種糟は仕込みに酒を用いていることから現在の甘酒やみりんのようなトロリと甘い酒、一方で下級役人用には水の割合の多い頓酒・汁糟だったそうです。奈良時代に各地で編纂された正税帳(律令制下、国司が中央政府に提出した一年間の正税の収支決算書)にも色々な酒の種類が記録されています。濁酒・白酒・粉酒・辛酒・醴などです。清酒(すみさけ)は滓と対比されて記載されていることから、上澄みか布で濾過した酒と考えられています。地方においても、支配階級用に様々なタイプの酒が造られていたことが分かります。一方で庶民(農民)に対しては度々禁酒令が出されており、自由に酒を飲むことは許されていませんでした。例外的に庶民が酒を作り飲むことができた機会は、農耕儀礼(国見・歌垣による酒宴)・神への信仰(神饌の酒 直会)・狭域市場の開設(市の酒)・給酒(国府で造られ給付されたもの)に限られ、基本的に濁酒だったそうです。このように飲める酒を見ても階級における貧富の差は大きく、庶民は清酒(すみさけ)の様に上等とされる酒は手の届かない存在であったことが伺い知れます。平安後期からは貴族同士の争いが増えたことで国が混乱しました。次第に造酒司で働いていた技術者が流出し、酒造りは市中の酒屋そして大きな権力を持つ寺院や神社でも行われるようになりました。鎌倉時代に入って商業が盛んになり、貨幣経済が各地へ行き渡ります。酒が米と同等の経済価値を持つ“商品”として流通するようになりました。寺院における酒造り、当初は自家用・贈答用が中心でしたが室町初期の15C半ば以降には商業的規模で酒造りを行うようになりました。主に近畿地方の大寺院で造られ、これらの酒は総称して「僧坊酒」と呼ばれ、その品質の高さから非常に高く評価されていました。「御酒之日記」「多聞院日記」として僧坊酒の記録が残されています。酒母仕込み・三段仕込み・諸白造り・火入れなど現代の日本酒醸造の骨格をなす工程を行っていたことが読み取れます。僧坊酒の筆頭格は奈良の正暦寺。正暦寺での酒造技術は非常に高く、天下第一とされる南都諸白に受け継がれました。現在でも正暦寺には「日本清酒発祥之地」の碑が建立されています。当時の技術の粋を生かして造った清酒つまり、濾して澄んだ酒が上等品とされていたことを示していますね。応仁の乱以降、各地の大名たちが勢力拡大を図り戦国時代がはじまります。この群雄割拠により、それまで都から「田舎酒」と呼ばれていた地方の酒が台頭し、京都にも進出するようになるのです。代表的なものは、西宮の旨酒・加賀の菊酒・伊豆の江川酒・河内の平野酒・博多の練貫酒など。ここでは練貫酒に注目しましょう。練貫酒とは、もち米で仕込み、醪を石臼ですりつぶして造った酒。練絹のような照りを持ち、トロリとしたペースト状だったそうです。味わいはかなりの甘口で、京の貴族にも戦国大名の間でも評判だったとか。中央の僧坊酒に代表される上澄みや濾した清酒が何より上等品との価値観から、地方発の様々な美味しい酒が見い出され、個性あふれる味わいにも人気が出てきたといったところでしょうか。安土桃山時代にイエズス会宣教師たちが編纂した「日葡辞書」には、日本の酒造りに関する語として、新酒・古酒・清酒・濁り酒・白酒・練酒などの酒の種類が記載されているそうです。古代から中世まで駆け足で各時代の酒を概観してきました。古代の素朴な祈りの酒、中世寺院の技術を駆使して贅沢に仕上げた澄み酒・清酒の特別感、醪をすりつぶすなど個性あふれる地方各地酒などなど。儀式で古式ゆかしく戴く酒、同士と酌み交わす気取らない酒、珍しいご当地の酒、長い歴史の中でそれぞれの場面に相応しい酒が造られ、飲み分けられてきたことがわかります。江戸時代になると都市に商工業者が台頭し、農村においても副業的な小規模な酒造りが行われます。中期にかけては、市場が拡大するとともに大規模な造り酒屋が出現するようになりました。一方、幕藩体制のもと米価の調整は財政上重要な課題であり、大量の米を使用する酒造業に対して厳しい統制が行われました。1657年(明暦3)に幕府は酒造りを「酒株制度」と呼ばれる免許制とし、酒税の徴収と統制をかけました。酒株とは酒造人を指定して酒を造る権利を保障するとともに、使用する米の量の上限を定めるものでした。記録によると1698年(寛政2)の醸戸数は全国で27,251だったそうで、1960年(昭和35)の清酒醸造免許場の約4,000場、2018年(平成30)の1,600場と比べるとなんと多いこと!醸造数量など諸条件に違いがあることから場数だけの比較は少々乱暴とは思いつつも、その差には驚かされます。この江戸時代、一般に販売されていた酒は清酒(諸白の澄み酒)・濁酒(片白のにごり酒)・清酒の滓を集めた中汲み(醪の上澄み部分と沈殿部分の中間部分から汲み取った半清半濁の酒)の三種類あったと言われていますが、江戸初期までは一般に酒といえばにごり酒をさしていたようです。江戸中期には料理茶屋が発達し、武家社会を中心とした飲酒が広まりました。また酒の小売店の一角で飲酒させる居酒屋も生まれ、庶民も冠婚葬祭以外でも飲酒できるようになりました。明治時代には日本酒造りが科学的に解明され、各地で醸造技術の近代化が進みます。続く大正~昭和には一層の技術革新もありましたが、一方で世界大戦が酒造業界に大きな負の影響を及ぼしました。戦後は高度経済成長に伴って日本酒消費量は大きく伸長しましたが、1974年石油ショックによる不景気などの要因で消費は減少に転じます。社会情勢が乱高下する状況下においても、各蔵元は製法や品質に磨きをかけ熱心に訴求を行いました。その結果、地元の酒とナショナルブランドといわれる大手メーカーの酒に加え、個性豊かな各地方の酒を楽しむ、いわゆる地酒ブームも起こったのです。 [caption id="attachment_1829" align="aligncenter" width="1000"] 日本山海名産図絵(寛政11年初版刊行) 伊丹の酒造り 其五 酒あげすましの圓[/caption] さて、ここで現在の酒税法における定義を明確にしておきましょう。清酒とは海外産も含め、米、米こうじ及び水を主な原料として発酵させてこしたものを広く言います。【酒税法第3条第7号】に以下のように定められています。次に掲げる酒類でアルコール分が22度未満のものをいう。イ) 米、米こうじ、水を原料として発酵させて、こしたものロ) 米、米こうじ、水及び清酒かすその他政令で定める物品を原料として発酵させて、こしたもの(その原料中当該政令で定める物品の重量の合計が米(米こうじを含む。)の重量の100分の50を超えないものに限る。)ハ) 清酒に清酒かすを加えて、こしたものまた、清酒のうち 「日本酒」(Nihonshu / Japanese Sake)とは、原料の米に日本産米を用い日本国内で醸造したもののみを言い、「日本酒」という呼称は地理的表示(GI)として保護されています。「こす(濾す)」工程がポイントです。つまり「こす」工程を行わない製法のにごり酒は清酒・日本酒のカテゴリーに含むことはできません。言い換えると、こしてさえいれば多少濁っていても清酒のカテゴリーなのです。では「どぶろく」は?続いてどぶろくについて整理してみましょうか。 ■どぶろくが繋いできたもの にごり酒というと「どぶろく」をイメージされる方も多いのではないでしょうか?どぶろくは米を使った酒類のもっとも素朴な形態です。清酒に比べ未発酵の米に含まれる澱粉や、澱粉が分解した糖によりほんのり甘い風味が特徴ですね。このどぶろくと清酒に分類されるにごり酒は製造工程で区別されます。前述のとおり米・米麹・水で造った醪を上槽(搾る・濾す)したものが清酒、この工程を行わないものがどぶろくです。どぶろくは日本の酒税法では「その他醸造酒」に分類されます。このどぶろく、長い間農家をはじめ造り酒屋ではない一般庶民の間で日常的に作られ飲まれていました。しかし、日本では1899年(明治32)にどぶろくを含むお酒の自家醸造が法律により全面禁止されています。お酒を造るには「酒類醸造免許」が必要です。つまり免許を持つ酒造会社が販売するにごり酒を買って飲むことはできますが、免許をもたない一般家庭ではどぶろくを造ることも飲むこともできなくなったのです。禁止の法律ができたのは120年以上も前ですので、今では自家製どぶろくといってもなじみのある方は多くないかもしれません。しかし昔は自分の家で造った酒を飲む方がとても多かったのです。家族が内輪で飲むばかりでなく、正月・お盆・彼岸・祭り・結婚式・葬式・新築祝いなど人の集まる行事でもよくどぶろくが振舞われていました。特に農家などでは自家製どぶろくは生活に欠かせない物、なくてはならない日々の支えでした。どぶろくはその味わいが、酸味の強/弱、甘口/辛口、濃い/薄い、など仕込む家ごとに違っていて、各々の家の、造る人の個性があったそうです。農作業の合間に、何かの寄り合いに、冠婚葬祭にと皆で飲み交わし、何処の家のが旨いの、誰それの味が好みだのと、批評しながら楽しく飲んでいたと。当時の農村を中心とした社会の親睦に必要であり、皆の慰安であり、力仕事に必要な滋養強壮の酒であり、必需品であったことがうかがえます。法律により自家醸造のどぶろくを仕込むことが禁止となると、「自分の米でどぶろく造って何が悪い!昔からやっていたことなのに!」と密造してしまう家も多くなり、一方税務署はその取り締まりを厳しく行っていた記録が多く残っています。様々な資料や文献にあたると、中でも秋田県がどぶろく王国だったことが記されていました。秋田県の密造の検挙数が多かったのは明治44年の2,727人、大正5年の3,161人、昭和18年には2,327人、昭和36年の3,551人は史上最高となっています。昭和63年発行の秋田県酒造史には戦後のどぶろく密造の推移を次のように伝えています。「太平洋戦争終戦後の一時期は減少をみたが、戦後の農民経済と酒類の供給不足により再び密造が多く行われ、昭和36年史上最高の検挙数をみ、全国第一の密造県として不名誉な歴史を続けてきた…」。記録にはあくまで摘発された件数しか残りませんから、秋田の税務署が他県より厳しかったため検挙数が多かった面もあるかもしれません。とにかくどぶろく造りが盛んだったのは間違いないでしょう。資料に残る密造と摘発の多さは、どぶろくが生活に密着したものであった証左といえるかもしれません。もちろん法にしたがって正しく造られたものを飲酒することが大前提ですが、大きな悲しい事件となってしまった例も、摘発を逃れようとする知恵比べも、それらの資料から、いかに人々がどぶろくを愛していたか、どれだけ生活に必要なものであったか、が浮かび上がってくるのです。正/不正は一旦脇に置くとして、やはり酒は暮らしに寄り添い、コミュニティの潤滑油であり、人々に力を与え、癒す、必需品なのだと思うのです。そしてどぶろくの、どこか郷愁を誘う味わいもまた、密造してまで皆に愛されたた理由の1つではないでしょうか。濃く、甘く、適度な酸味、トロリとした粘度、粒々とした食すに近い食感、この味わいに慣れ親しんだ人がどぶろくの復活を願うのもなんとなく理解できる気がしてきます。  ■どぶろく特区  復活を望む声はもとより、地域振興の起爆剤としてどぶろくが注目されました。2002年の行政構造改革。指定地域内で特定分野の規制を撤廃・緩和し、経済活性化を目指す政府の「構造改革特別区域」構想の1つとして設けられたのが、通称「どぶろく特区」です。酒税法上の「雑酒」の最低製造数量の基準を特例として緩和することにより、どぶろくを製造できる免許を、旅館や農家民宿・農園レストランなどで自分で原料となる米を作っている宿泊施設に限って付与することになりました。同特別地域内でのどぶろく製造と、飲食店や民宿において提供が許可されたということです。どぶろく特区は2003年第一号の岩手県遠野市などを皮切りに、2023年3月認定分までで290地区以上(果実酒・焼酎・リキュール含)が国税庁のリストに掲載されています。旅行で出向きそれぞれの特区でその地域のどぶろくを楽しんだり、神社で行われるどぶろく祭(どぶろくを神前に供え豊饒を祈願した宗教行事由来の祭)で古来のどぶろくを頂き、神と農業の歴史に思いを馳せたりするのも素敵な体験です。神事に、農業に、地域のコミュニティに、そして時を経て地域振興にと、神と人・人と人を繋ぎ、暮らしに寄り添い、人を魅了してきたどぶろくの力に驚かされるばかりです。 どぶろくを調べるにつれ目黒の秋刀魚という古典落語を思い出しました。ご存じの方も多いかもしれません。あらすじは次のとおりです。目黒に遠乗りに出かけたあるお殿様。駆け回ってお腹が空くも弁当の用意がなかったため、一軒の農家で焼いている秋刀魚を家来に買わせ食べました。当時、秋刀魚は庶民の食べる低級な魚とされており、生まれて初めて食べたのです。脂ののった焼きたての秋刀魚の旨いこと旨いこと。お屋敷へ帰ってからもその味が忘れられないお殿様、食事に秋刀魚を出せと無理を言います。台所方は魚河岸から秋刀魚を取り寄せ、内臓を奇麗さっぱり取り除き、蒸籠で蒸して脂をすっかり抜き、毛抜きで小骨を一本残らず抜き去り、身が崩れた秋刀魚を椀に仕立ててお出ししました。当然、目黒で食べた秋刀魚とは全くの別物に仕上がっています。「この秋刀魚はいずれで仕入れたか」と問うお殿様に「日本橋魚河岸でございます」と答える家来。お殿様は一言「それはいかん。秋刀魚は目黒に限る」というオチです。庶民的な流儀で無造作に調理することで素材本来の味が生かされる食材、それを丁寧すぎる程の調理を施すことで本来の美味しさを損ねてしまうという風刺の効いた滑稽噺です。各家庭で造られていたどぶろくの旨さは、この農家で焼いた秋刀魚の旨さに共通するのかも……と思った次第です。吟味した酒米を中心部まで磨き、技を凝らして醸造する大吟醸の研ぎ澄まされた素晴らしい美味しさ。一方で米そのものを味わう様な素朴で無骨などぶろくもまた旨いのです。それぞれに違った美味しさがあるということ。酒に優劣をつけたり、身分階級によって飲める酒が分けられたり、現代ではそんなことはナンセンスです。それぞれの好みに応じて、その時々の場面に応じて、選択できる時代はなんと素晴らしいことでしょう。 ■菊水のにごり酒『五郎八』  一方で、酒造メーカーが醸造するにごり酒は、長年庶民の自宅で造られてきた言うなればラスティックな旨さを、プロの技術で洗練させ安全に仕上げたものといえるのではないでしょうか。一種の昔懐かしさを感じさせる白濁した酒を、長年の酒造りで培った技と科学的根拠で絶妙に整え、安全に飲んでいただける商品として販売しているのです。 菊水で造るにごり酒『五郎八』。発売は1972年(昭和47)、原点はどぶろくです。酒好きの人に「懐かしい、飲みたい」と感じていただける昔ながらの味わいを再現しました。農村地方の古い大きな民家、皆で囲炉裏を囲んでワイワイ飲む絵が浮かぶような。豪快にグィッと飲む茶碗酒をイメージして、酒銘は五郎八茶碗*1からヒントを得ました。ラベルには「田舎酒座」のコピー*2も添えて。*1五郎八茶碗:江戸初期、肥前有田の高原(竹原)五郎八によって作り出されたという、大型の染付磁器の碗。後には大きく素朴な茶碗の総称となっています。五郎八の実在の陶工としての来歴はほとんどわかっていません。*2 本年(2023)ラベルデザインを一新。現在のラベルには上記コピーは入っていません。発売当初よりずっと秋冬限定醸造です。米の旨味がそのままギュっと凝縮されたような濃厚でコクのある味わいはまさに、寒い時期にグッとやりたくなる味わいです。菊水の地 北越後の地元の方々のみならず、広く各地で受け入れていただくことができ、発売50余年を経てなお菊水の秋冬期の代表的商品であり続けています。菊水の社史には、酒税法で規定する酒造免許について菊水の四代目 髙澤英介の思いが記されています。免許は「一般に禁止されていることを特別に許可する、という趣旨。裏返せば、良い酒をよい多く世の中へ供給しなさいという法の精神が読み取れる」と。自家醸造が一般には禁止されている現在、人々が飲みたいと感じる酒を醸し、真っ当な価格で、いつでも買える店に置いていただくこと、それが免許を与えられている酒蔵の役目であるという思いです。にごり酒『五郎八』も蔵元のそんな思いの結晶の1つと我々は捉えています。晩秋に発売のご案内をすると「待ってました!」「もう五郎八の季節なのですね」のお声をいただくことから、もはや冬の風物詩!的存在です。昔ながらのにごり酒の味わいとして懐かしく飲んでくださる長年のご愛飲者に加え、近ごろでは白濁した姿を珍しく感じ、一口飲んでその甘くコクのある味わいを好んでくださる若い方々も増えてきました。ソーダやジュース、ミルクで割るなどカクテル風に楽しむ方もいらっしゃいます。飲むシーンや飲み方は時代とともに変化してきても、素材を生かした滋味に富むにごり酒の味わいは普遍的なものなのかもしれません。寒さが一番厳しいこの時期、うまみたっぷりで身体が芯から温まるようなにごり酒を楽しまない手はありません。時代を超え愛され続けるにごり酒の魅力にあなたも嵌まってみませんか?参考・加藤百一「日本の酒5000年」技報堂出版1987年・坂口謹一郎「日本の酒の歴史」研成社1977年・坂口謹一郎「日本の酒」岩波書店1964年・小泉武夫「日本酒の世界」講談社2021年・神崎宣武「酒の日本文化-日本酒の原点を求めて」角川書店1991年・無明舎出版「どぶどく王国」2006年・秋田健酒造組合「秋田県酒造史」1988年・長山幹丸「どぶろく物語」1977年・本郷明美「どはどぶろくのど」講談社2011年・国税庁サイト内「構造改革特別区域法による酒税法の特例措置の認定状況一覧(令和5年3月認定分まで))2023.11.24閲覧chrome-extension://efaidnbmnnnibpcajpcglclefindmkaj/https://www.nta.go.jp/taxes/sake/qa/30/03/01.pdf・菊水酒造株式会社「菊水小史」2007年

2023年10月10日

にごり酒を簡単にアレンジできる“和カクテル”レシピ6選

ベースとなるお酒に果汁や薬味などを合わせる「カクテル」は、お酒が苦手な方にも飲みやすいとして、若者を中心に人気のアルコール飲料です。今回ご提案するのは、にごり酒を使った“和カクテル”レシピ! 菊水酒造のにごり酒『五郎八』をアレンジして、和の要素を感じさせるカクテルをつくりました。   菊水酒造『五郎八』とは? 『五郎八』は菊水酒造から秋冬だけに登場する季節限定のにごり酒です。 新潟・越後民話に登場する山賊頭領の名前が由来で、その名の通り、豪快ながらもどこか素朴な味わいのお酒に仕上がっています。 読み方は「ごろはち」で、数字にすると「五六八」。「いろは」とも読むことができて、花札なら「かぶ」なので、縁起のいい名前だという声も。   白い色が印象的な『五郎八』は、口にふくむと、お米の粒々感とコクのある甘さが口いっぱいに広がって、濃厚な旨みがじっくりとからだに染み渡ります。 キーンと冷やしたストレートで豪快に飲むのがおすすめですが、実はカクテルベースにして割る楽しみ方も人気の『五郎八』。アルコール度数を和らげつつも、素朴な甘さや濃厚な味わいはしっかり残ってくれるので、いろんなアレンジが楽しめますよ。   『五郎八』のアレンジレシピ6選 にごり酒『五郎八』を使って日本酒カクテルに仕立てた、アレンジレシピをご紹介します。   ソーダで割る「ゴロぼーる」 「五郎八」をお好みのソーダ(炭酸水)で割るだけの簡単レシピ。炭酸で割ることで、爽快感があって食前酒にもぴったりです。 つくり方 1.グラスに氷を入れる。 2.『五郎八』と炭酸飲料を好みの割合で注ぐ。2:1が基本。   ミルクでマイルドな味わいの「雪うさぎ」 『五郎八』を冷たい牛乳と合わせた、白いカクテルです。牛乳を加えることでアルコール度数が下がり、まろやかになるため、お酒を飲み慣れない方にもおすすめです。 つくり方 1.『五郎八』と牛乳はあらかじめ冷やしておく。 2.グラスに氷を満たし、『五郎八』と牛乳を1:1の割合で入れて軽くかき混ぜる。   フルーティーな「夕日の輝き」 『五郎八』を100%オレンジジュースで割るフルーティーなカクテルです。オレンジジュースの酸味が、『五郎八』の濃厚なコクと甘みを引き立てます。 つくり方 1.「五郎八」とオレンジジュースをあらかじめ冷やしておく。 2.グラスに氷を満たし、『五郎八』とオレンジジュースを1:1の割合で入れて軽くかき混ぜる。   飲むヨーグルトで簡単「名残り雪」 『五郎八』を飲むヨーグルトで割った濃厚な口当たりのカクテルです。『五郎八』の甘みと、ヨーグルトの酸味との相性抜群。にごり酒の初心者向き。 つくり方 1.『五郎八』と飲むヨーグルトはあらかじめ冷やしておく。 2.グラスに氷を満たし、『五郎八』と飲むヨーグルトを1:1の割合で注ぎ、軽くかき混ぜる。割合はお好みで調整を。   梅酒の香る「梅八」 『五郎八』と梅酒を組み合わせると、さわやかなにごり酒に変わり、飲みやすくなります。特徴ある香りとコクを感じられるカクテルです。 つくり方 1.『五郎八』と梅酒はあらかじめ冷やしておく。 2.グラスに氷を満たし、五郎八と梅酒を1:1の割合で入れて軽くかき混ぜる。   ミルクでマイルドな味わいの「朱鷺のゆめ」 ざくろから作った甘酸っぱい「グレナデンシロップ」を使った新感覚のカクテルです。程よい酸味と甘さが、おいしさを引き立てます。 つくり方 1.『五郎八』はあらかじめ冷やしておく。 2.氷を満たしたグラスに『五郎八』を入れ、グレナデンシロップを少々追加して、軽くかき混ぜる。   にごり酒『五郎八』で作る和カクテルを6つご紹介しました。アレンジ次第で楽しさが広がりそう。いろいろ試してみてください。   にごり酒『五郎八』商品情報

2023年06月27日

50年愛されてきた缶入り日本酒のパイオニア。累計販売本数3億超『菊水ふなぐち』

菊水酒造株式会社の看板商品であるアルミ缶入り生原酒「菊水ふなぐち」が、2022年11月27日に発売50周年を迎えました。2018年には国内累計出荷本数が3億本(※1)を突破し、全国のスーパーやコンビニエンスストアなどでも購入できるようになった商品ですが、かつては蔵でしか味わうことができない門外不出のお酒でした。しぼった後の割水と火入れ(加熱処理)を一切施すことのない生酒は、その品質のデリケートさから市場に流通させることは難しく、当時の業界の常識では考えられないことでした。本ストーリーでは、日本初の缶入り生原酒(※2)「菊水ふなぐち」の誕生から現在に至るまでの軌跡についてお伝えします。 3年におよぶ試行錯誤。開発のプロセス 大手にはできないことをしなければ。考え抜いた末に思い当たったのが、酒蔵来訪者だけに振る舞っていた、蔵でしか飲めない、しぼりたての生原酒でした。おいしいと好評でしたが、当時の技術では商品化することができなかった酒です。 一般の日本酒は、品質を保つため火入れと呼ばれる加熱殺菌して市販されます。腐敗の原因となるのは、昔から酒蔵を悩ませてきた火落菌。生のお酒を世に出すことは当時の業界の常識では考えられないことでした。それでも「できたての酒って、こんなにうまいんだ」「これを売ってくれ」との声に何とか応えたい想いで、この生原酒を商品化することを決意します。醸造技術を根本から改め、最初から火落菌が入らないよう試行錯誤しました。また、日本酒は紫外線に弱い性質があるため、遮光性に優れたアルミ缶容器を採用しました。そうして3年の研究開発を経て、1972年11月にアルミ缶に詰めた元祖生原酒「ふなぐち」が誕生しました。 「菊水ふなぐち」開発のきっかけとなったお客様の声 1960年代後半、日本経済は高度成長期のピークを迎えていました。大手酒造メーカーは順調に業績を伸ばしましたが、地方の蔵元は逆に圧迫され、転廃業の危機にさらされていました。菊水酒造も例外ではありません。そのうえ菊水は、1966年、67年と続いた大水害によって茫然自失となるほどの被害を被ってもいたのです。廃業へと傾く気持ち。それを引き止めてくださったのは、何よりお客様からの「頑張れよ」という励ましでした。一念発起し、移転再建を決断。69年には新しい蔵が稼動しました。 当たったのが、酒蔵来訪者だけに振る舞っていた、蔵でしか飲めない、しぼりたての生原酒でした。おいしいと好評でしたが、当時の技術では商品化することができなかった酒です。 一般の日本酒は、品質を保つため火入れと呼ばれる加熱殺菌して市販されます。腐敗の原因となるのは、昔から酒蔵を悩ませてきた火落菌。生のお酒を世に出すことは当時の業界の常識では考えられないことでした。それでも「できたての酒って、こんなにうまいんだ」「これを売ってくれ」との声に何とか応えたい想いで、この生原酒を商品化することを決意します。醸造技術を根本から改め、最初から火落菌が入らないよう試行錯誤しました。また、日本酒は紫外線に弱い性質があるため、遮光性に優れたアルミ缶容器を採用しました。そうして3年の研究開発を経て、1972年11月にアルミ缶に詰めた元祖生原酒「ふなぐち」が誕生しました。   缶がバトンのように全国へ。ユニークな販売促進 長い年月を費やして生まれた「ふなぐち」ですが、当初から好調だったわけではありません。日本酒は一升瓶に入っているのが常識で、小さなアルミ缶入りの酒など、どこも取り扱ってくれませんでした。そこで展開したのが、都会からのスキー客や温泉客の多いリゾート地での試飲販売です。とにかく一度飲んでもらえば、このおいしさをわかっていただけると信じての活動でした。 その功を奏して、「ふなぐち」で生原酒を味わったお客様が都会へ帰って、デパートや酒屋で「ふなぐちはおいしい」「ふなぐちはないのか?」と口コミで宣伝してくださいました。こうして少しずつ小売店での取り扱いが増えていったのです。 「ふなぐち」は、蔵を訪れたお客様の「おいしい」という声から生まれ、一度味わったお客様の「おいしい」という声によって広まった酒です。そしてこの「ふなぐち」が、窮地にあった菊水酒造を救ったのは言うまでもありません。お客様の「おいしい」という声がなかったら、今の菊水酒造はなかったでしょう。 しぼりたてのおいしさを届けるために 「ふなぐち」の缶蓋を開けた時にお酒がなみなみと入っていて嬉しい、といったお声をいただきます。実は「ふなぐち」は、本来の容量が一合サイズの180ml規格の缶に、たっぷりと200mlのお酒を詰めています。これはお客様にしぼりたての生原酒を存分に味わっていただきたいという想いと、お酒が空気に触れて酸化することで、フレッシュな風味が損なわれてしまうことを避けるため、というのが理由です。品質保持のためのパッカーンと缶を開けた時のお客様の笑顔、そして、お酒の風味を守るためのささやかなこだわりがここにあります。 瓶ではない理由 しぼりたての生原酒をいつでも、どこでも、手軽に楽しんでいただきたい、そんな志を持った「ふなぐち」は、200ml缶のほかに、500mlのボトル缶や、スタンドタイプのスマートパウチの容器でラインナップを展開しています。これらの容器に共通するのは、日本酒の大敵である紫外線を遮り、お酒の劣化を防ぎ生原酒のおいしさを守ること、そして軽量で携行性に優れ、扱いやすい容器であるということです。 ■このカタチ、きっと日本酒の未来を変える「菊水ふなぐちスマートパウチ」 スマートパウチは1.5Lと大容量でありながら、軽量・コンパクトで取り扱いがしやすく環境にも優しいことに加え、遮光性に優れ、開封後の空気の侵入を防ぐ機能性を持ち、しぼりたての蔵出しの味を最後の一杯までお客様に味わっていただける優れもの。瓶よりもかしこく、スマートに。菊水がたどり着いた新しいおいしさ「長持ち」のかたちです。 1972年11月、日本の高度成長期に誕生した「菊水ふなぐち」は、これからもみなさまの暮らしに寄り添いながら、いつでも、どこでも、詰めたてのおいしさをお届けする原点にたち、発売当初からの志を大切に、この酒を醸し続けてまいります。   ■菊水通信:「菊水ふなぐち」関連記事 https://www.kikusui-sake.com/book/vol19/#target/page_no=7 https://www.kikusui-sake.com/book/vol21/#target/page_no=7   ※1:1972年10月~2017年11月(出荷ベース・自社データ)200ml缶のみ ※2:1972年11月に日本で初めて生原酒缶を商品化 (株)コミュニケーション科学研究所調べ(2010年1月) ※「ふなぐち」は菊水酒造株式会社の登録商標です。

2023年06月27日

『菊水ふなぐち』の味わいを科学する

『菊水ふなぐち』は菊水酒造を代表する日本酒です。缶入り日本酒の中では、POSデータ(2022年8月 酒販ニュース9月21日掲載)によると、清酒の小容量カテゴリーにおいて日本一の販売数量を誇ります。 『菊水ふなぐち』はご存じの通り生酒です。生酒を常温で流通させることは品質安定の難しさ、劣化の面で問題があり、菊水ではかつては蔵に来て頂いた方だけに振舞っていました。一方、生酒ゆえにその旨さは格別で、評判を聞きつけた人が蔵までやってきて所望する時代もあったそうです。そこで、菊水では、日本酒の鮮度を保つための製品開発、容器開発で試行錯誤を繰り返し、50年前の1972年に、日本初のアルミ缶入り生原酒の開発に成功。蔵でしか飲めなかった『菊水ふなぐち』を数多くの全国の方々に愉しんで頂けるようになりました。このように、菊水では、創業以来の進取の気性の精神により、商品開発、容器開発、品質管理など研究開発活動にも以前から熱心に取り組んでまいりました。 菊水の研究開発活動は多方面に渡り、新しい研究開発手法や食品、飲料、酒類技術評価方法、マーケティング調査手法、フードテック関連情報など広く最新情報の収集のためアンテナを張り、市場トレンドやマーケット情報を収集しています。 その取組みの中、現在では、日々の生産ロットの品質管理、鮮度管理、経時変化検証の他、ガスクロマトグラフィ検査によるにおいの質検査、液クロマトグラフィによる呈味検査、味覚センサなど感性工学機器を用いた味覚データ取得による商品管理、商品特長の定量化などまで行っています。 菊水製品の商品ラベルに掲載されている味わいチャートも味覚センサで測定した客観的なデータを示すことにより実際に飲用する前に商品の味わいをお客様に伝えるための取組みの一環になります。【図1】 これ以外に、菊水で現在注力しているのが、フードペアリング評価方法の開発になります。従来、フードペアリング或いはマリアージュについては、評価者のテイスティングなど人間の主観や感覚で捉える方法が世の中では主流でしたが、味覚センサなど感性工学技術の進展により実際に科学分析した結果から食べ物と飲料、酒類との相性を評価する技術が世の中に登場し、菊水でも、業界内ではかなり早い段階からその研究開発活動を推進してきました。これまでの菊水通信のバックナンバーの中にもフードペアリングについて事例を数多くご紹介させて頂いています。   料理品と日本酒の合わせ方としては、いつものように、【図2】で示す通り、料理品と日本酒がそれぞれに持つコク、キレ、濃醇の三角形のグラフから、その形状に着目し、味わいが調和する「調和型」、味わいが深まる「相乗効果型」、味わいを引き立たせる「補強型」、味わいがまとまる「相互補完型」という組合せを探し出し、マリアージュのパターンを見つけ出します。 料理や飲料、酒類などの苦味や渋味は低濃度であるため味わいに輪郭を与えるコクとして解釈し、キレは酸味の強さや口腔内での味わいの後切れとして解釈、濃醇は塩味や味の濃淡として解釈します。苦味や酸味は、人が本来避け、食生活の中で後天的に受け容れる味わいであるため、これらのバランスが重要であると考え、それらが適量となることで味わいに輪郭が加わり、ペアリングやマッチングの可能性が高くなります。 例外として、料理が飲料や酒類を大きく越える苦味(或いは渋味)の場合はマッチングしにくい場合がありますので、菊水では官能評価も併用しています。 味わいの濃醇である塩味などは味わいの濃度の決め手となります。甘味やうま味に関しては双方の濃度に関係なく、「好み」として判断することが多いため、一次スクリーニング判定では使用せず、二次スクリーニングでの官能評価時に判定根拠として考慮する方法を採用しています。 菊水と長年共同研究している味香り戦略研究所のフードペアリングシステムに格納されている約200の食品群の中から、『菊水ふなぐち』に合うペアリング料理を抽出したのが、以下の表になります。意外な組合せもあることに驚かされます。 日本酒醸造・発酵食品製造のモノ造り、日本酒の歴史、文化、愉しみ方等を様々にお伝えするコト造り。菊水はこの両輪で日本酒を楽しくする蔵元です。モノとコト両方面から俯瞰して覗いてみた時、お酒の新たな魅力が発見できることから、菊水では引き続き、研究開発活動を深化、強化して行く予定です。『菊水ふなぐち』と料理の組合せで、これは! というお奨めのとっておきの組合せがあれば、是非菊水までご一報ください。 ■デジタルブック「菊水通信」 https://www.kikusui-sake.com/book/vol21/#target/page_no=3

2020年09月16日

つぶやきレシピ |日々のささやかな“つぶやき”が、極上のつまみに変身

日常に起こる、ほんのささいな出来ごと。ちょっぴりうれしかったことや、思わずクスッとしてしまったこと、はたまたついボヤきたくなるようなプチ残念なことなどなど……。 そんなとき、思わず口に出してつぶやいてしまうひと言が、今宵の〈つまみ〉に変身したら、なんだか楽しい。さらには、相性抜群のお酒とともに味わえば、明日もきっといい日!           Vol.2  「麦茶を買った自販機で“アタリ”が出た!」 最近あまり見かけなくなったと思っていたクジ付きの自販機。それだけでもレアなのに、まさかの“アタリ”が!予期せぬ出来事ほどうれしいことはないわけで、でももう1本飲んだらお腹もガブガブ……。 そうだ今宵はこれを使って、旨つまみに変身させよう!ラッキー効果で、アイデアも冴えますっ。     「豚肩肉の麦茶煮」 (材料)作りやすい分量  ・豚肩塊肉……350〜400g  ・麦茶………500㎖ぐらい(ひたひたの量でOK)  ・漬け汁(醤油 50㎖、酒・酢・みりん 各大さじ1と2/3)   (作り方)  1.小さめの鍋に豚肩肉と麦茶を入れて、強火にかける。 沸騰したら弱火にしてクッキングシートなどで 落とし蓋をして約30分煮る。 2.別鍋に漬け汁の材料をすべて入れ、ひと煮立ちさせておく。 3.1の豚肉を2に漬け、そのまま冷ます。 耐熱ビニール袋などに入れると保存しやすい。 食べやすい薄さにスライスして皿に盛る。       ◎合わせたいお酒/「菊水の辛口」   漬けダレがしみ込んだ豚肉は、お酒との相性も抜群! なかでも、飲みごたえのある旨さと冴えわたるキレが特長の「菊水の辛口」と合わせれば、飲む手、食べる手が止まらない幸せのループ状態に。麦茶で煮れば豚肉の臭みも抑えられ、さらには香ばしさもプラスされるので、お酒の味わいも生かして殺さずと効果絶大。豚肉は冷蔵庫で3〜4日保存もOKです。   フードコーディネート/タカハシユキ 撮影/中原一隆 文/中川節子

2020年08月31日

ごはんとして食べる米と日本酒になる米はどう違う?

8月も後半になると、南の地方から新米収穫の便りが届くようになりました。代表銘柄は何と言ってもコシヒカリでしょうか。しかしそれぞれの土地の気候や風土に適した地域限定の品種も栽培されていて、その総数は500種類以上にもなるとか。みなさんは、どんな品種が思い浮かびますか?   2019年産うるち米の品種別作付割合を見ると、上位5品種と主な産地は以下の通り。 1位:コシヒカリ/新潟、茨城、福島 2位:ひとめぼれ/宮城、岩手、福島 3位:ヒノヒカリ/熊本、大分、鹿児島 4位:あきたこまち/秋田、茨城、岩手 5位:ななつぼし/北海道 ※(公社)米穀機構まとめ   以下、6位:はえぬき、7位:まっしぐら、8位:キヌヒカリと続きますが、1位〜5位までで作付割合全体の61.8%を占め、コシヒカリに至ってはそれだけで33.9%!ダントツの人気なんですね。     以上8品種はすべて、ごはんとして食べる品種、いわゆる飯米(食用米)です。飯米で造った日本酒がないわけではないですが、一般的ではありません。日本酒の原料になるのは、酒造好適米と呼ばれる通称「酒米」。品種としては100種類以上あるのですが、一般の方が店頭で目にする機会はほとんどないでしょう。   では、飯米と酒米はどこが違うのか。酒米の特徴を見ていきます。   1)粒が大きく砕けにくい 米の胚芽や外層部にはタンパク質や脂質などが多く含まれています。これらは酒の雑味となってしまうため、酒米の場合は玄米の表面を30%〜50%削り落としてから使います。飯米が玄米を8〜10%削って糠を落とす程度なのに比べ、精米に耐えられる大きさと強さが求められるのです。 どれくらい大きいのでしょうか。米粒の大きさは、1000粒あたりの重量を測定して表します。2013年の農水省の資料では、コシヒカリの千粒重が22.4gなのに対して、五百万石は25.5g、山田錦は28.2gもありました。   2)心白(しんぱく)がある 酒米の中心部には、白くて不透明な「心白」があります。飯米はデンプンが詰まっているため透明感がありますが、酒米の中心はデンプンが粗く、隙間があるために白く見えるのです。しかしその隙間があるおかげで、麹菌が内部へ菌糸を伸ばしやすくなり、デンプンの糖化が進み、結果としてアルコール発酵を促します。心白が発現しているだけでなく、その形、大きさ、位置が中心にあることが、いい酒米の条件なのです。   3)外硬内軟で仕込みやすい 米を蒸した際に表面がさらっとしていて捌けがいいとか、仕込んだ際にもろみが溶けやすいのも酒米の特徴。稲の時も米粒が大きくて重いために倒れやすく、一般の飯米よりも栽培が難しいと言われる酒米ですが、酒造りの長い歴史の中で数え切れないほどの異種交配を繰り返し、酒造りに適した米へと改良されてきました。   酒米の人気銘柄は、酒米の王者と言われる「山田錦」と新潟県で開発された「五百万石」がツートップです。菊水酒造では新潟産の五百万石を中心に、五百万石の親である「菊水」や五百万石と山田錦を掛け合わせた「越淡麗」といった銘柄を主な原料としています。   おいしい米と、おいしい酒になる米では、特徴が異なることがわかりました。しかし、ここで新たな関心が——、酒米を炊いて食べたら、どんな味なの?と。本当においしくないのでしょうか?ひとたび興味を抱いてしまったら簡単に諦めることのできない編集部では、『酒米を食べてみ隊』を結成し、実際に炊いて食べてみることにしました。   入手した酒米は、新潟・新発田産の五百万石の玄米。隊員は、菊水通信チーフエディターのN、デザイナーのE、ライターのT。三者三様の実食レポいきまーす。   <E> 玄米を水に10時間以上浸してから炊飯器で普通に炊きました。玄米だからか炊きあがりの匂いが香ばしく、プチプチした食感がたまりません。大人だけにわかるおいしさかと思ったら、3歳と6歳の子どももパクパク食べておかわりしていましたよ。   <T> 米屋へ持ち込み、五つ星お米マイスターの中丸真一氏に最適に精米してもらいました。モチモチ感や甘みは少ないけどパサパサというわけじゃなく、コシヒカリよりササニシキ派の自分にはおいしい。五百万石で握った鮨なんて、食べてみたいなあ。   <N> 玄米を棒で突っつく人力精米にチャレンジするが、1時間以上突いてもほぼ変化なし。精米器と銀シャリの偉大さを感じつつ、人力精米をあきらめて、精米した五百万石を実食。酒米は醸してなんぼ!食べても美味しくないでしょう。そう思い込んでいたが「あれっ意外と食べられる」というのが第一印象。香りはやはり食用米にはかなわないが、食感はそんなに悪くない。なんか懐かしいこの感じ。あっそうか、昔、学生食堂で食べた標準米の味と香りだ。     想定していたオチは、「炊いてもイマイチ。やっぱ酒米はおいしい酒を造るためにあるんだね」というものだったのに、意外においしくてビックリ!予想外の感動と発見があった酒米実食体験でした。   <参考文献・参考サイト> 新潟清酒ものしりブック 監修/新潟清酒達人検定協会 発行/新潟日報事業者 米穀機構 米ネット 品種別作付動向 https://www.komenet.jp   <精米協力> 中丸屋商店 tel.0467-82-2213

2020年08月13日

つぶやきレシピ |日々のささやかな“つぶやき”が、極上のつまみに変身

日常に起こる、ほんのささいな出来ごと。ちょっぴりうれしかったことや、思わずクスッとしてしまったこと、はたまたついボヤきたくなるようなプチ残念なことなどなど……。 そんなとき、思わず口に出してつぶやいてしまうひと言が、今宵の〈つまみ〉に変身したら、なんだか楽しい。さらには、相性抜群のお酒とともに味わえば、明日もきっといい日!           Vol.1  「コンビニで何気なく買い物したら、合計が777(スリーセブン)円だった!」 ゲン担ぎってありますね〜。「7」ひとつでもラッキーセブンなのに、ゾロ目で3つ、スリーセブン! 買ったのは、サラダチキンとキムチに、コンビニ最強酒の缶入り日本酒“ふなぐち”。今夜はこれで祝杯ムード?  明日、いいことありそうだ〜。     「チキムチ」2人分 (材料)  ・サラダチキン……100g(1枚)  ・キムチ……………50g  ・マヨネーズ………大さじ2   (作り方)  1.サラダチキンを手でほぐしボウルに入れる。キムチとマヨネーズを加えて和える。  ※お好みで、刻んだきゅうりなどを加えても!       ◎合わせたいお酒/「ふなぐち菊水一番しぼり」   しっとりチキンに絡むマヨネーズとキムチの酸味、辛味が、お酒を呼ぶ! 「ふなぐち」の旨口の味わいが、コク旨のマヨネーズ風味と好相性。また夏は、「ふなぐち菊水一番しぼり スパークリング」のキリッとキレのあるお酒も気分です。クラッシュアイスを入れてレモンをひと搾りすれば、さらに爽快な夏気分アップで、盛り上がること間違いなし!   フードコーディネート/タカハシユキ 撮影/中原一隆 文/中川節子

2020年08月05日

オンラインで蔵見学開催しました 文化編

2019年秋から、一般公開を始めた菊水日本酒文化研究所。 一般見学やイベント開催などを通じてお客様にも楽しんでいただいてまいりましたが、新型コロナウイルス感染症拡大防止の対応として、5か月ほど公開を休止しています。   そんな中、ここ菊水日本酒文化研究所を会場に、8月1日にオンラインの酒育セミナーを開催しました。 セミナーでは文化研究員が講師を務め、いくつかの資料をピックアップして当時の時代背景なども絡めながらご紹介させていただきました。     収蔵品の中には、今年の3月に発売された特殊切手「美術の世界」に採用されている伊万里の大皿によく似た食器も。切手のモチーフになった大皿は東京国立博物館に収蔵されているそうです。研究所が収蔵する3万点の資料の中には、このように何かのきっかけで、改めて価値を知るものもあるんです。     文献資料の中には江戸中頃~明治 出版・印刷文化の進展で流通した引札や錦絵、名所図会、草双紙、瓦版などもそろっています。 「料理早工風」は嘉永6(1853)年に作成されたもの。1853といえばペリー来航。当時の人々がどんな料理を食べていたのか一覧を眺めるだけで面白いですね。     また、20世紀初頭の料理書・婦人雑誌の付録「職業別榮養料理圖解」には、職業別におすすめのお料理が詳しく掲載されていて、お相撲さんや、野球選手のページも。現代はアスリートめし、なるものがあったりしますが、パフォーマンスを高めるための献立の視点は今に通じるものがあります。     一通り、ご覧いただいた後には、菊水日本酒文化研究所が企画したグッズも紹介させていただきました。 昔の人から日本酒のかかわり方、遊び方を学び、現代風にアレンジしたりしています。 こちらは、中央に浮き球があってお酒を注ぐと音が鳴るという仕掛け酒器で、その名も「風鈴杯」。 とっても涼しげな音で、今の季節にぴったりです。     一時間ほどのセミナーの間は、受講者の皆様からQ&Aやチャットで質問やご意見をお寄せいただき、オンラインながらも画面の先のお客様を感じながらお届けすることができました。 ご参加いただいた皆様、ありがとうございました。 菊水酒造ではこれからもオンラインでのイベントを通じて、日本酒を面白く楽しくするコトづくりを行って参ります。   ◆セミナーでも紹介した収蔵品について、もっと知りたい方はこちら「菊水通信」日文研EYE ◎人と酒を結ぶもの https://www.kikusui-sake.com/book/vol11/#target/page_no=5 ◎ぐい吞みコレクション https://www.kikusui-sake.com/book/vol4/#target/page_no=5 ◎「引き札」 https://www.kikusui-sake.com/book/vol12/#target/page_no=5

2020年08月01日

夏にピッタリの日本酒の飲み方!オン・ザ・ロックとみぞれ酒

7月25日は『かき氷の日』。かき氷は夏氷(なつごおり)とも言い、7(な)2(つ)5(ご)の語呂合わせから制定された。また当時の日本最高気温40.8℃が、山形市で1933年7月25日に観測されたものだったこともその理由。ちなみに現在の日本最高気温は2018年7月23日に熊谷市で観測された41.1℃だ。   暑い季節になると冷たい飲み物が恋しくなる。酒も冷蔵庫でキンキンに冷やしたいものだが、四合瓶ならまだしも一升瓶では家庭用冷蔵庫に入らない。となれば、氷を浮かべてはどうだろう。日本酒に氷だなんてイマドキだね、と思われるかもしれないが、いやいやそんなことはないぞ。じつは奈良・平安の頃より、やんごとなき方々は酒に氷を浮かべて飲んでらっしゃったのである。   冷凍庫や製氷機のない時代、夏の氷はとても貴重なものだっただろう。冬の間に雪深い山中から天然の氷を切り出して、麓に造った『氷室(ひむろ)』と呼ばれる洞窟に貯蔵しておく。それが夏になると都へ献上され、貴族たちが暑気払いを行っていたよう。日本各地に氷室という地名や氷室神社が現存するのは、その名残だと言われている。   奈良時代に記された日本書紀には、「氷室の氷 熱き月に當りて 水酒に浸して用ふ」と氷を酒に浮かべて飲む様子が描かれている。東大寺正倉院に保管された文書には、「六月、七月、宮中では醴酒(こさけ)を造り、山城や大和国の氷室の氷を用いて天皇に供する」という記録も。日本酒のオン・ザ・ロックは、歴史ある贅沢な飲み方なのだ。       平安時代になると、あの清少納言の枕草子にも氷が出てくる。あてなるもの(上品なもの)のひとつとして、「削り氷に甘葛(あまずら)入れて、あたらしき鋺(かなまり)に入れたる」と。現代語に訳すと、「削った氷に甘葛(古代から用いられた甘味料)をかけて、新しい金属製の椀に入れること」。元祖かき氷だ! 紫式部の源氏物語には、夏の盛りの夕食に酒や氷を振る舞う様子や、夕暮れに宮中の女たちが氷を胸や額に押し当てて涼をとっているシーンが登場する。   さて、奈良・平安時代に飲まれていたのは、どんな酒だったのか。日本酒の製造工程に、腐敗を防ぐための加熱処理が加わったのは江戸時代である。だから、その頃の酒は火入れをしていない生酒だ。長く保存がきかないので、そのつど醸造していたのだろう。   日本酒をオン・ザ・ロックで飲むなら、一般的なアルコール度数15度のものでは少し物足りない気がする。加水調整をしていない、しぼったままの生原酒がいい。アルコール度数は19度程度。氷を入れても薄まりすぎることがなく、しっかりと日本酒の味わいを楽しむことができる。   菊水酒造のラインナップでいえば『ふなぐち菊水一番しぼり』か、季節限定だが『菊水 夏の大吟醸生原酒』がオススメだ。好みでレモンやライムを浮かべると、ますます清涼感がアップする。     氷にも気を配りたい。オン・ザ・ロックに理想の氷は、固くて溶けにくいことだ。家庭の冷凍冷蔵庫で作った氷は、中心が白く濁ってしまうことが多く、あれは水に含まれる空気や不純物が集まったもの。製氷皿では外側から凍っていくので、急激に凍らせると空気や不純物が中に閉じ込められてしまうらしい。   そのぶん溶けやすく、なにより美しくない。煮沸してから凍らせたり、ミネラルウォーターを使うと、いくぶんましにはなるけど完璧に透明にするのは難しい。プロの製氷屋さんでは、専用装置で濾過したのちに−10℃ぐらいで凍らせるという。家庭の冷凍庫は−18℃なので、それよりもゆっくり凍らせることで空気や不純物を逃すというわけだ。   透明な氷が作れないのであれば、氷を使うのではなく、酒そのものを凍らせるのもおもしろい。しかし氷のように完全に固めてしまうのではなく、シャリシャリのシャーベット状にするのがポイント。『みぞれ酒』と呼び、これも暑い日にピッタリの日本酒の飲み方である。     【みぞれ酒の作り方】 日本酒の凝固点は−10℃前後なので、冷凍庫に入れっぱなしだと凍ってしまう。しかしボトルにタオルを巻くなどし、ゆっくり静かに冷却すると−12℃から−15℃ぐらいまで液体状態を保つことができる。この状態を『過冷却』と言う。そして、冷凍庫で一緒に冷やしておいたグラスに注ぐと、ふしぎ不思議、グラスの中で酒が結晶化して、見る見るシャーベット状に!   まさにみぞれ雪のようで、見た目も涼しげ。ふんわりやわらかく、ひんやり冷たい。口に含むとすーっと解けて、日本酒の香りと味わいが広がっていく。夏の日の客人に、こんなのがさっと出せたら、粋だろうなあ。   『ふなぐち菊水一番しぼり』商品情報 https://www.kikusui-sake.com/funaguchi/index.html 『菊水 夏の大吟醸生原酒』商品情報 https://www.kikusui-sake.com/home/jp/products/p026/

2020年08月01日

冷酒は”ひやざけ”と読むか “れいしゅ”と読むか

皆さんは「冷酒」を「ひやざけ」と読むか 「れいしゅ」と読むか、その違いわかりますか? 実はこれ、明確な答えがあるんです。本来「ひやざけ」は常温酒のことで、「れいしゅ」は冷蔵庫などで冷やした酒のことです。 つまり居酒屋などで「日本酒を冷やで」という注文は「日本酒を常温で」ということになります。しかし「常温なのに冷やってなんだろう?」、と誰もが首を傾げてしまいます。その理由は高度成長期以前、日本には冷蔵技術が乏しく、日本酒を飲むには温めるか常温の2通りしかなかったのが所以です。後に日本が豊かになると、巷に冷蔵庫が普及し始めます。それとともに酒造技術も発達しました。日本酒を冷やすことにより、よりパフォーマンスを高める吟醸酒や生酒が蔵元で生産されるようになると、冷やして美味しい吟醸酒などが人気を博し、「ひやざけ」ではない「れいしゅ」というジャンルが確立されたからと言うことです。   ところで「ひやざけ」と「れいしゅ」を飲むシチュエーションは明らかに異なるような気がします。 昭和の日常を描いた映画「東京物語」や「早春」などで、頻繁に登場するのがおでん屋のシーンです。ほんのり色気のある女将さんを囲み、主演の笠智衆と旧友がおでんを肴に酒を酌み交わす場面は、まさに「ひやざけ」です。戦後間もない作品なので、まだ吟醸酒や生酒がなかった頃ということもありますが。しかしおでん屋というシチュエーションは紛れもなく「ひやざけ」がピッタリですね。作品を手がけた監督、小津安二郎自身が銀座のおでん屋「お多幸」の常連だったこともあり、彼の作品におでん屋が多く反映されたのでしょう。 また下町のうらぶれた居酒屋のイメージは「ひやざけ」そのものです。高倉健主演の「居酒屋兆治」や小林薫主演の「深夜食堂」など、煮込みや焼きとんなどがメインの居酒屋は「ひやざけ」がよく似合います。     一方「れいしゅ」となるとどこか高級感の漂う風情といった感じでしょうか。しつらえのいい料理屋で、本マグロの赤身や中トロ、生牡蠣を肴に一献となると、それに見合うお酒はやはり「れいしゅ」の印象ではないでしょうか。     シチュエーションによって印象の異なる日本酒。冷やして、燗をつけて、はたまた常温でと、日本酒は温度によっても違う味わいを演出してくれます。これは世界的に見ても類を見ないお酒と言えるのではないでしょうか。