菊水通信

2019年12月07日

失敗しない、おいしい燗酒の作り方

いろいろな温度で楽しめる日本酒ですが、特に燗酒を好む人も少なくありません。とはいえ、家で燗酒を作ろうとすると、温度の加減が難しかったり、アルコールが飛びすぎてしまったりと、意外とコツがいるもの。ここでは、簡単に実践できる「おいしい燗酒の作り方」をご紹介します。   日本酒の魅力を引き立たせる「燗酒」とは? お酒を温めることを「燗をつける」「お燗する」、温めたお酒のことを「燗酒」と呼びます。また、燗をつけてお酒のおいしさが引き出された状態を「燗上がり」と呼ぶことも。 冷やして飲む冷酒の人気が定着した一方で、近年では「燗」という日本酒ならではの魅力も見直されています。2019年に10周年を迎えた『全国燗酒コンテスト』(http://www.kansake.jp/#aConcept)が、温めておいしい日本酒を選ぶコンテストとして注目されるなど、温めるとうまみが増す燗酒を楽しむ人が増えてきています。   燗の温度によって香りや味わいが変化 「熱燗」や「ぬる燗」という言葉はご存知の方も多いでしょう。燗酒は温度によって呼び方が変わります。 30度くらいで「日向燗」。温度の高さを感じないくらいで、ほんのり香りが引き立つのが特徴です。 35度くらいで「人肌燗」。さわると暖かく、味にふくらみが出て、米や麹の香りがします。 40度くらいで「ぬる燗」。さわっても熱くはなく、よく香りが立ちます。 45度くらいで「上燗」。注いだときに湯気が出て、引き締まった香りを感じます。 50度くらいで「熱燗」。徳利から湯気が生じはじめ、さわると熱く感じるのがこの温度です。キレの良い辛口を感じ、香りがシャープになります。 55度くらいで「飛びきり燗」。徳利を持つと熱く、シャープな香りが際立ってより辛口になります。   自宅で簡単にできる燗酒の作り方 自宅でも少しの工夫でおいしい燗酒を簡単に作ることができます。その方法をご紹介しましょう。 ①お酒を徳利の9分目まで注ぎます。このとき徳利の注ぎ口にラップをすると、お酒のいい香りが飛ばないのでおすすめです。 ②鍋などに水を張って、お酒の入った徳利を浸します。水の量は、徳利の半分ほどの高さまで浸かるようにしましょう。 ③水の量を調整したら、一度徳利を取り出して鍋を火にかけます。水が沸騰したら火を止めます。 ④火を止めた鍋に徳利を浸します。熱い湯で手早く燗をするのがコツ。ぬる燗にしたい場合は時間を調整します。 ⑤お酒が徳利の口まで上がってきたら、徳利を持ち上げます。 ⑥中指を徳利の底に当ててみて、やや熱いと感じるのがちょうどいい燗の目安です。45度くらいの「上燗」がおいしいと言われることが多いですが、自分好みの温度を探しだすのも自宅で燗酒を作る楽しみのひとつです。 電子レンジで燗酒するポイント 急激に温度が上がってしまう電子レンジでも、ひと工夫すると簡単においしく燗酒ができます。500Wの場合で、お酒1合(180ml)を約40秒加熱すると、「人肌燗」程度に温まります。やはり徳利の注ぎ口にはラップで蓋をしましょう。レンジで温めると徳利の上部と下部で温度差ができるので、まず20秒ほど温めて一度取り出し、温度が均一になるよう徳利をすこし振ります。それからレンジに戻して、好みの温度になるまで少しずつ温めるのがおすすめです。 急激に温度が上がってしまう電子レンジでも、ひと工夫すると簡単においしく燗酒ができます。500Wの場合で、お酒1合(180ml)を約40秒加熱すると、「人肌燗」程度に温まります。やはり徳利の注ぎ口にはラップで蓋をしましょう。レンジで温めると徳利の上部と下部で温度差ができるので、まず20秒ほど温めて一度取り出し、温度が均一になるよう徳利をすこし振ります。それからレンジに戻して、好みの温度になるまで少しずつ温めるのがおすすめです。   お酒の温度を変えて楽しむ、料理とのペアリング 温度によって味や香りが変化する日本酒。菊水酒造では、味覚センサーを使って4つの温度帯ごとにコク、うまみ、ボディ感、コクの余韻、うまみの余韻、キレの6つの要素で分析して、料理とのペアリングを考えてみました。分析に使用したのは、菊水イチ燗上がりして、冷酒でもしっかり旨味がある「菊水の純米酒」です。 冷蔵庫から取り出したばかりの日本酒は5℃ほど。キレが際立っていて、繊細な味の料理と合わせても料理の味を邪魔しません。のどぐろやヒラメの刺身、アジのたたき、豆腐田楽のような自然なうまみがあって、さっぱりした食べ物との相性がいいと言えます。   常温の25℃では、キレが程よく感じられますが他の要素のバランスがいいのが特徴です。焼き魚や焼き鳥、鶏肉の唐揚げなど、塩味とうまみが程よく感じられる食べ物と合わせてみてはいかがでしょうか?   ぬる燗の40℃ほどになると、コクと旨味が膨らんでボディ感がぐっとアップします。ブリの照り焼きや豚肉の生姜焼きなど味わいがしっかりしたものとのペアリングがおすすめです。   熱燗として測定したのは、徳利を触るとアチッと感じるほどの60℃。コク、うまみ、ボディ感にさらに膨らみが出ます。すき焼き、モツ煮、豚肉のスペアリブなど、こっくりと濃い味付けの料理との相性がよくなります。  温度によって味や香りが変わる「燗酒」。自分好みの温度で燗をつけて、楽しんでみてはいかがでしょうか?   燗酒の作り方 監修:國府田宏行 協力:味香り戦略研究所   『菊水の純米酒』商品情報 [caption width="802" align="alignleft"] 芳醇な風味は、お燗でさらに味わい深く。 菊水一≪燗上がり≫する「菊水の純米酒」[/caption]   「料理とのペアリング」についてはこちらでも紹介しています。 ブック版 菊水通信vol.5  

2019年12月07日

こだわりの酒器は大人のたしなみ。お酒を楽しむ“ぐい呑み”をご紹介

お酒好きなら酒器選びにもこだわりたいもの。新潟県新発田市「菊水酒造」の蔵内に構える「菊水日本酒文化研究所」では、酒や酒文化に関する文献、酒を嗜む酒器など、三万点もの資料を収蔵しています。そのコレクションの中から自慢の酒器をご紹介する連載企画、第一弾です。 『スカーレット』のモデルとなった、陶芸家・神山清子さん 2019年9月に放送が始まったNHK朝の連続ドラマ小説『スカーレット』は、焼き物の里である滋賀県の信楽を舞台に女性陶芸家の半生を描くドラマです。ドラマのヒロイン、戸田恵梨香さんが演じる陶芸家のモデルとなった人物が、女性陶芸家の草分けでもある陶芸家の神山清子さん。   神山清子さんは1936年に長崎県佐世保市で生まれ、父親の仕事の都合で各地を転々とし、信楽に移り住みます。信楽焼の絵付けを請け負う会社で助手をしたあと、27歳で独立して本格的に作陶を開始しました。   当時、焼き物の世界は男社会。女性が窯場に入ると「穢(けが)れる」と言われ、窯焚きをする女性はいませんでした。そういった背景の中で神山清子さんは土と炎と格闘を続け、試行錯誤の末に生み出されたのが、釉薬をかけない独自の「信楽自然釉」です。   貴重なぐい呑を収蔵する「菊水日本酒文化研究所」 現在も現役の陶芸家として活躍している神山清子さんですが、実は、新潟にもゆかりのある陶芸家。1960年から約10年間、小千谷市内で作陶を行いながら、陶芸教室を開催していたことがあります。   そんな縁もあってか、「菊水日本酒文化研究所」では神山清子さん作の「信楽自然釉」ぐいのみが収蔵されています。   「見込み」と呼ばれる器の内側の部分は、信楽焼の特徴でもある粗い肌で温かみのある赤茶色。外側の「胴」と呼ばれる部分には、自然釉がたっぷりとかかっていて、まるで白い雪がキラキラと舞うような美しい表情を見せます。見る角度ごとにいろいろな景色を想像させられますね。   お酒に欠かせないおちょこや、ぐい呑といった酒器。生み出した作家のストーリーを知ってからお酒を注ぐと一味違う味わいが楽しめそうです。   住所:新潟県新発田市島潟750 菊水酒造株式会社 見学お申込み・お問合せ 電話:0254-24-5544(9:30〜16:30、日曜・祝日を除く) 営業カレンダーはこちらhttps://www.kikusui-sake.com/home/jp/labo/   「陶芸家・神山清子さんのぐい呑」についてはこちらでも紹介しています。 ブック版 菊水通信vol.8

2019年12月07日

にごり酒を簡単にアレンジできる“和カクテル”レシピ6選

ベースとなるお酒に果汁や薬味などを合わせる「カクテル」は、お酒が苦手な方にも飲みやすいとして、若者を中心に人気のアルコール飲料です。今回ご提案するのは、にごり酒を使った“和カクテル”レシピ! 菊水酒造のにごり酒『五郎八』をアレンジして、和の要素を感じさせるカクテルをつくりました。   菊水酒造『五郎八』とは? 『五郎八』は菊水酒造から秋冬だけに登場する季節限定のにごり酒です。 新潟・越後民話に登場する山賊頭領の名前が由来で、その名の通り、豪快ながらもどこか素朴な味わいのお酒に仕上がっています。 読み方は「ごろはち」で、数字にすると「五六八」。「いろは」とも読むことができて、花札なら「かぶ」なので、縁起のいい名前だという声も。   白い色が印象的な『五郎八』は、口にふくむと、お米の粒々感とコクのある甘さが口いっぱいに広がって、濃厚な旨みがじっくりとからだに染み渡ります。 キーンと冷やしたストレートで豪快に飲むのがおすすめですが、実はカクテルベースにして割る楽しみ方も人気の『五郎八』。アルコール度数を和らげつつも、素朴な甘さや濃厚な味わいはしっかり残ってくれるので、いろんなアレンジが楽しめますよ。   『五郎八』のアレンジレシピ6選 にごり酒『五郎八』を使って日本酒カクテルに仕立てた、アレンジレシピをご紹介します。   ソーダで割る「ゴロぼーる」 「五郎八」をお好みのソーダ(炭酸水)で割るだけの簡単レシピ。炭酸で割ることで、爽快感が生まれます。また、食欲増進の効果もありますので、食前酒にもぴったりです。 つくり方 1.グラスに氷を入れる。 2.『五郎八』と炭酸飲料を好みの割合で注ぐ。2:1が基本。   ミルクでマイルドな味わいの「雪うさぎ」 『五郎八』を冷たい牛乳と合わせた、白いカクテルです。牛乳を加えることでアルコール度数が下がり、まろやかになるため、お酒を飲み慣れない方にもおすすめです。 つくり方 1.『五郎八』と牛乳はあらかじめ冷やしておく。 2.グラスに氷を満たし、『五郎八』と牛乳を1:1の割合で入れて軽くかき混ぜる。   フルーティーな「夕日の輝き」 『五郎八』を100%オレンジジュースで割るフルーティーなカクテルです。オレンジジュースの酸味が、『五郎八』の濃厚なコクと甘みを引き立てます。 つくり方 1.「五郎八」とオレンジジュースをあらかじめ冷やしておく。 2.グラスに氷を満たし、『五郎八』とオレンジジュースを1:1の割合で入れて軽くかき混ぜる。   飲むヨーグルトで簡単「名残り雪」 『五郎八』を飲むヨーグルトで割った濃厚な口当たりのカクテルです。『五郎八』の甘みと、ヨーグルトの酸味との相性抜群。お酒を感じさせない上に、体にもやさしいので、にごり酒の初心者向き。 つくり方 1.『五郎八』と飲むヨーグルトはあらかじめ冷やしておく。 2.グラスに氷を満たし、『五郎八』と飲むヨーグルトを1:1の割合で注ぎ、軽くかき混ぜる。割合はお好みで調整を。   梅酒の香る「梅八」 『五郎八』と梅酒を組み合わせると、さわやかなにごり酒に変わり、飲みやすくなります。特徴ある香りとコクを感じられるカクテルです。 つくり方 1.『五郎八』と梅酒はあらかじめ冷やしておく。 2.グラスに氷を満たし、五郎八と梅酒を1:1の割合で入れて軽くかき混ぜる。   ミルクでマイルドな味わいの「朱鷺のゆめ」 ざくろから作った甘酸っぱい「グレナデンシロップ」を使った新感覚のカクテルです。程よい酸味と甘さが、おいしさを引き立てます。 つくり方 1.『五郎八』はあらかじめ冷やしておく。 2.氷を満たしたグラスに『五郎八』を入れ、グレナデンシロップを少々追加して、軽くかき混ぜる。   にごり酒『五郎八』で作る和カクテルを6つご紹介しました。アレンジ次第で楽しさが広がりそう。いろいろ試してみてください。   にごり酒『五郎八』商品情報 [caption id="" align="alignleft" width="803"]にごり酒 五郎八[/caption]

2019年12月06日

生原酒が熟成するとどうなるの?味わいと香りを分析

1972年、日本初の缶入り生原酒として誕生した『ふなぐち菊水一番しぼり』は、毎日の晩酌としてはもちろん、旅行やアウトドアなど、あらゆる場所で楽しめるお酒です。『ふなぐち』は火入れ(加熱処理)を行わない生酒で、しぼりたてのフレッシュな味わいを楽しめるのが特徴ですが、「冷蔵庫などで熟成させるとおいしい」というお客様の声から、『熟成ふなぐち菊水一番しぼり』も生まれています。今回は、成分分析を使って、熟成による味わいと香りの変化に迫ります。   生原酒を熟成させるとおいしい!? 生原酒は、加熱処理や加水処理をしないフレッシュな瑞々しさが特徴のお酒です。菊水酒造が『ふなぐち菊水一番しぼり』を日本初の缶入り生原酒として発売したのは1972年のこと。それ以来、晩酌から旅行や山登りのお供として、幅広く愛されてきました。 しぼりたてのフレッシュが特徴の『ふなぐち』ですが、いつしか熟成させるとおいしいという声が聞こえてきました。なかには、自宅の冷蔵庫などで寝かせて熟成具合の変化を楽しんでいるというファンも。 そんな声に後押しされて1996年に誕生したのが一年以上低温熟成させた『熟成ふなぐち菊水一番しぼり』。しぼりたてとは違うコクのある味わいとトロリとした口当たりが楽しめる熟成酒です。   仕込み年度の異なる生原酒を分析。味わいや香りの変化が! 「味香り戦略研究所」による分析(2018年)を元に、仕込み年度の異なる3種類の『ふなぐち』を比較しました。 『熟成ふなぐち菊水一番しぼり』の容器に記されている製造日とは、容器に詰めた日ではなく、一年以上の熟成期間を経て、商品化された日付けです。 味わいチャートを見ると、2018年9月製造の『ふなぐち菊水一番しぼり』はフレッシュな酸味が特長で全体的にバランスが取れています。 2018年9月に製品化した『熟成ふなぐち菊水一番しぼり』はコクが強く、酸味は穏やか。うま味や熟成感が強く、これぞ熟成した日本酒といったデータになりました。 10年熟成酒として分析した1998年4月製品化の『熟成ふなぐち菊水一番しぼり』は酸味とコクが控えめ。熟成感がぐっと増し、芳醇な味わいを示すデータになりました。飲んでみると紹興酒やブランデーにも似た豊かな香味が感じられます。 また、2018年の『ふなぐち菊水一番しぼり』を基準とした香り成分分析結果を見ると、時間が経つと熟成香の成分が増大していくことがわかります。 好みの熟成度合いを探そう いろいろな味わいを楽しめるのも日本酒の面白さ。熟成の度合いで味わいや香りの変化が感じられるのも生原酒ならではの魅力です。しぼりたてのフレッシュさや、熟成が進んで生まれる芳醇なまろやかさを飲み比べて、自分好みの熟成度合いを見つけてみてはいかがでしょうか。 10年熟成の『ふなぐち』は、菊水本社のショップでお求めいただけます。   協力:味香り戦略研究所 【ショップ情報】 https://www.kikusui-sake.com/home/jp/labo/   『ふなぐち菊水一番しぼり』商品情報 https://www.kikusui-sake.com/funaguchi/index.html 『熟成ふなぐち菊水一番しぼり』商品情報 https://www.kikusui-sake.com/home/jp/products/p002/   「熟成酒の味わい」についてはこちらでも紹介しています。 ブック版 菊水通信vol.6

2019年12月06日

菊水の辛口が飲める、常連になりたいお店をご紹介。新橋「雪國」

200軒ほどの酒場がひしめく新橋は、サラリーマンのオアシスなんて言われている。 そんな路地裏の一角にある居酒屋「雪国」は、昭和55年7月7日、七夕に産声をあげた。それも「菊水の辛口」が誕生した2年後のことである。 藍染に白抜き、雪山がモチーフにされた小ぶりな暖簾をくぐると、店内はいい具合に狭小でカウンター9席のみ。店を切り盛りする女将、石黒千賀子さんの人柄に吸い寄せられるように、毎夜サラリーマン、OLが集い賑わっている。 お勧めの肴は「鯵の甘酢煮」、季節の「自家製カツオのたたき」、「キャベツとコンビーフ炒め」など。酒は各種揃えているが、なんと言っても店の看板に掲げられた「菊水の辛口」がメインだ。 「開店したばかりのころですね、新潟の姉から『新発田の菊水が金賞を取って人気があるらしいわよ』って聞いたものだから。それで扱うようになったんですよ」 「と言うことは、開店から38年間ず~っと菊水の辛口置いてるんですね。ちょっと一杯いただけますか」 「どうぞ。5時から6時半までタイムサービスなんですよ」 一杯500円の「菊水の辛口」が、その時間帯だけ破格の300円で提供されている。いや~飲み助にはありがたい。 「タイムサービスで6、7杯飲む人いるんですよ…」 「そりゃ凄い!」 冷え冷えのグラスでクイっと一杯、キリっと辛口でほどよい旨味。「鯵の甘酢煮」をいただきながら、また一杯。 「やっぱ美味しいな~」 「このお酒、飲みやすいのは当たり前なんですけど、料理の味を邪魔しないんですよね」 確かに。キレのある口当たりだけど、スッキリとし過ぎない味わいがどんな料理にも合うのだろう。甘口、または淡麗が際立つと途中で飲み飽きてくるけど、この酒はほどよい旨味も手伝って、いつまでも飲み続けることが出来るのだ。 「カツオのたたきもどうぞ」 カツオに薬味をタップリ乗せてカブリつく。 「菊水おかわりください」 「ね、進むでしょう」 「菊水の辛口」は突き抜けた個性があるお酒じゃない。でもどんな場面でもいつでも安心して飲める普遍的な味わいが潜んでいる。これが日本酒党に長年愛され続ける最大の理由だろう。 「3杯目おかわりします?」 「はいお願いします。ついつい飲んじゃいますね」 開店から38年という「雪国」の営みは、新橋にどっしりと根を下ろした燻し銀の趣がある。 女将の人柄、旨い肴と旨い日本酒は、穏やかに心身を癒してゆく。 「もう一杯いただけますか」 「あら4杯目、お強いですね」 酔いに任せてダラダラと時間を貪る、これが酒場の至福のひとときだ。 取材日:2018年6月21日   新橋「雪國」 【住所】東京都港区新橋2-10-9  【電話】 03-3508-9867 【営業】17時~23時(L.O.22時30分) 【休日】土・日・祝 【アクセス】JR各線「新橋駅」銀座口・烏森口から徒歩3分   取材・文/小野員裕   元祖 新潟の辛口酒 菊水の辛口